海南島旅行with来期計画
「海南に行かなければ(自身の)身体がよくなかったことに気づかない。」
前回紹介いたしました。
今回、海南島に関する裏話その1をお伝えいたします。
2002年12月30日(月)、拙著「俺のミッション」主人公荻村の妻恵子と娘が遊びに来ました。妻は2度目、娘は初めての中国です。
12月31日は日本では大晦日で既に年末年始休暇に入っている会社が多いと思いますが、中国は旧正月を祝いますので、国家カレンダーとしては就労日となります。
京信中国は会社方針で大晦日を休みとしておりました。
12月30日(月)は出勤日です。その年、京信日本も出勤日でしたが、その当時年末の最終日は午前中出勤、最後の1時間机周りなど掃除して12時に終業という慣例となっていました。何かうきうき感が漂っていました。
30日の午後3時頃家族が空港に着く予定で、荻村は朝から事務ワークをしておりました。
すると11時ちょっと前、日本本部から山ほど添付ファイルのついたメールが送られてきたのです。
悪寒を感じながら開くと、
to:海外法人拠点長
title:来期(2003年度)計画策定指示
from:本部長
でした。
荻村が担当した京信深圳は現時点では香港法人の連絡事務所に過ぎませんが、来年度からは法人として独立するため、京信のグローバル連結決算対象になり直接指示が来たわけです。
本部の担当者は12時にみんなと一緒に「ご苦労さん会」に行くため、大掃除はサボってぎりぎりで送信のエンターをしたのでしょう。中国との時差は+1時間となります。
担当者はメールを送信した瞬間、
「今年も終わった-!さあ、ご苦労さん会にレコード大賞、紅白歌合戦、行く年来る年、元旦だー!」
となんとも言えぬワクワク感があることは荻村も昨年までの経験上よく解っています。
しかし、受け取った方は年末年始気分は吹っ飛びます。
荻村は営業戦略などは十分策定できる自信はありましたが、P/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)、C/F(キャッシュフロー)を誰にやらせるか?悩みました。
本部からのシートはグローバル会計基準に沿っています。
中国当局に提出する財務諸表は中国の会計事務所に作ってもらいますが、会計基準が違います。
赴任時、深圳駅まで迎えに来てくれた張は出納係で財務ではないので
「財務専門家を今から雇うか?」
という話を人事にしたところ、
「わ、わたしにやらせてください!勉強したいです!」
張が荻村の部屋に入ってきて凄い迫力で迫ってきます。
単なる出納係は誰でもできるので、キャリアアップしたい意欲満々です。
ちなみに中国都市部では、キャリアアップしたい人は大学や大学院、資格の学校などで夜間や休日勉強しています。
MBAも博士号取得者もごろごろいます。
荻村は嫌な予感はしていましたが、張の迫力と意欲に負け任せることにしました。
家族を空港まで迎えに行き、16時頃家族と事務所に戻ります。
主要メンバが歓迎会を開いてくれるとのこと、家族も一緒に広東料理を楽しみました。
翌12月31日(火)から2泊3日で海南島三亜旅行へ行きます。休日は1月1日だけなので有給休暇を2日間使ったのでしょう。
三亜は海南島の最南端、つまり中国の最南端でもあり「中国のハワイ」と言われています。
空港のセキュリティーの職員が娘を頭からつま先まで珍しそうに眺めます。
「うちの娘に失礼な!」
妻が機嫌悪そうです。
↓海南島2日目(1月1日)の写真。こんな服装でした。
2002年当時、日本では普通だと思いますが、中国ではまだ時期尚早だったのでしょう。「中国のハワイに連れて行ってやるよ。」
と自慢げに話していたのですが、到着すると妻の恵子は
「何がハワイやねん……」
ぽつりと呟きました。
海南島旅行は当時の中国人にとって高嶺の花です。最も行ってみたいところランキング1位でした。
ですので、観光客もまばらです。
上の写真を見ても解りますように1月1日でもTシャツでいけます。さすがに游ぎは寒いと思います。
恵子とは違い、荻村はかなり気に入って
「頑張って儲けて、2-3年後にはここで華南代理店総会をしよう!」
と決心しました。
そのことは別にアップいたします。
家族とゆっくり過ごすはずが、 財務諸表のことが気になって不安を抱えたまま過ごすことになります。
さて、家族も帰国し仕事に戻ります。
数値計画は1月15日水曜日までに暫定提出してくれ、とのことです。かなり時間がタイト。
出納係の張には2日前には財務諸表を完成してくれるよう、依頼しておきました。
1回集計した後、グローバルの全社目標に合わせるべく調整に時間がかかるからです。
1月13日月曜日朝、出納係の張が焦りながら荻村の部屋に入って来て言います。
「荻村さん、大変です。お金がどんどんなくなっていきます!」
「な、なんだと!持ち逃げか!?」
よく聞くと次のことです。このように理解できる日本語ではありませんでしたが……。
「C/F(キャッシュフロー計算書)が何度やり直してもキャッシュアウトの方が大きく、キャッシュバランス(現金残高)の赤字がどんどん増えていきます!泣」
「なに!売上計画はかなりチャレンジャブルにしているんだぞ!」
荻村は赴任当時、道端で5元で買ってきたWindowsやMS-officeを全員が会社PCにインストールしていたことを知り、気絶したことがありましたが、この時も気を失う寸前でした。
気を取り直してC/Fを眺めます。
拙著で少し紹介しましたが、荻村は父親の会社の資金繰りや清算を24歳の時、自ら行なうことで、財務諸表を眺めると課題が目に飛び込んでくる位に感覚が研ぎ澄まされていました。
「あ、P/Lの減価償却費を控除していないじゃないか?」
「減価償却費?????」
「知らんのか……?」
荻村は実は日本語があまりうまくない(正確にいうと発音はきれいだが日常会話レベルである)張に減価償却費を説明することになるのですが、それはもう大変でした。
理解させるのに丸二日かかりましたが、その間に荻村は脳みそが疲れ果てパニック障害を発症しそうだったのです。その後しばらくストレス性難聴にも悩まされました。
間違っている部分が解れば、あとはexcelの計算式を訂正するだけです。
ぎりぎりで1月15日の提出に間に合いましたが、脳と神経へのダメージは結構あったようです。
次回、続けて「華南代理店会議in海南島三亜」をお届けしたいと思います。
再見!
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