丁のもう一つの顔
ここのところ「俺のミッション 中国ビジネス三都物語(著者:はやぶさひろ 出版社:めでぃあ森)」に掲載した次代コーポ深圳販社での社員による不正について、その裏事情を詳細に記しています。 前回の続きで広州営業員だった「丁(テイ)のもうひとつの顔」に関しお伝えいたします。 まずは下の写真をご覧ください。 これは次代広州営業所を開設した後、事務所に置かれていた箱です。 宛先のように次のことが手書きされています。 上海錦標電子有限公司 広州事務所の住所 丁のフルネーム 携帯番号 ※ここで上海錦標電子有限公司とは当時次代コーポ深圳販社総経理金の実弟が経営する会社で中日ビルシステムへ次代製品を販売しているトンネル商社です。 (何故、次代コーポの丁でなく、錦標(キンピョウ)の丁なんだ?) 差出人は「広州中日ビルシステム」でした。宅配便などの送り状は貼っていません。 荻村の脳裏には一瞬「?」マークが浮かびましたが、不正に関するマネジメントサイクルがかなり鍛えられており、すぐにその悪事が明確に浮かびました。またシナプスにより新たなニューロンのつながりができる音が脳みその中で起こった感覚です。 「丁、これはどのようにここに運び込まれたんだ」 荻村は聞きます。 「はい、私が営業活動で伺ったとき預かりました」 仕事しています、と見せつけんばかりに丁は誇ったように答えます。 「中は何が入っている?」 「当社製品の**です。故障して解析依頼です」 (何故、次代コーポの丁でなく錦標(キンピョウ)なんだ?) 荻村は問いただしそうになりましたが、疑っていることがばれると後々解明しづらくなるので、その言葉を呑み込み言いました。 「おお、そうか。なら速く工場に解析依頼を回せ」 「好!一定!马上做!请放心(分かりました!必ず!すぐにやります!どうか安心なさってください)」とやる気を見せつけるため、おきまりの文句を言います。 丁が席を外した隙に荻村は写真を撮りました。 丁は中国語で言うと「没有文化」、つまり「教養がない」と言う意味になりますが、次代コーポ中国前身のエバー社からの移籍組みです。元次代深圳総経理金や営業部長呉の言われるとおりにさえやっていればうまくいく、と信じ込んでいます。 日本語では「パシリ」です。物事の道理が全く理解できてお...