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9月, 2022の投稿を表示しています

丁のもう一つの顔

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  ここのところ「俺のミッション 中国ビジネス三都物語(著者:はやぶさひろ 出版社:めでぃあ森)」に掲載した次代コーポ深圳販社での社員による不正について、その裏事情を詳細に記しています。  前回の続きで広州営業員だった「丁(テイ)のもうひとつの顔」に関しお伝えいたします。  まずは下の写真をご覧ください。  これは次代広州営業所を開設した後、事務所に置かれていた箱です。  宛先のように次のことが手書きされています。    上海錦標電子有限公司    広州事務所の住所     丁のフルネーム 携帯番号   ※ここで上海錦標電子有限公司とは当時次代コーポ深圳販社総経理金の実弟が経営する会社で中日ビルシステムへ次代製品を販売しているトンネル商社です。  (何故、次代コーポの丁でなく、錦標(キンピョウ)の丁なんだ?)  差出人は「広州中日ビルシステム」でした。宅配便などの送り状は貼っていません。  荻村の脳裏には一瞬「?」マークが浮かびましたが、不正に関するマネジメントサイクルがかなり鍛えられており、すぐにその悪事が明確に浮かびました。またシナプスにより新たなニューロンのつながりができる音が脳みその中で起こった感覚です。  「丁、これはどのようにここに運び込まれたんだ」 荻村は聞きます。  「はい、私が営業活動で伺ったとき預かりました」 仕事しています、と見せつけんばかりに丁は誇ったように答えます。  「中は何が入っている?」  「当社製品の**です。故障して解析依頼です」  (何故、次代コーポの丁でなく錦標(キンピョウ)なんだ?) 荻村は問いただしそうになりましたが、疑っていることがばれると後々解明しづらくなるので、その言葉を呑み込み言いました。  「おお、そうか。なら速く工場に解析依頼を回せ」  「好!一定!马上做!请放心(分かりました!必ず!すぐにやります!どうか安心なさってください)」とやる気を見せつけるため、おきまりの文句を言います。  丁が席を外した隙に荻村は写真を撮りました。  丁は中国語で言うと「没有文化」、つまり「教養がない」と言う意味になりますが、次代コーポ中国前身のエバー社からの移籍組みです。元次代深圳総経理金や営業部長呉の言われるとおりにさえやっていればうまくいく、と信じ込んでいます。  日本語では「パシリ」です。物事の道理が全く理解できてお...

遠慮というものはない世界 そこまでやるか

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 深圳販社での不正に関し最近2回掲載いたしました。    ダミー代理店(チュウシュウ)と深圳総経理金の実弟が経営する商社(キンピョウ)を経由して大口顧客(中日ビル)へ販売し、チュウシュウ及びキンピョウの利益を分配する構図となっております。    それだけでも十分にがめついのですが、それでは済まないのがココの人達なのです汗    しなければならないことに対しては怠惰ではあるのですが 「会社からいかに利益を抜くか」という思考回路は優れており遠慮というものはありません。    本来本件も原稿にはしたためて最終割愛されましたが、その辺を味わっていただきたく思います。    前提として従来広州には事務所がなく、丁(テイ)ともう一人営業員がオフィスなしで活動している、という状況でした。 割愛した原稿>>    さて、2017年12月次代コーポレーションの広州営業所を開設したのだが、その開所式で広州に出向いた時、金(キン)がやけにご機嫌そうに 「荻村、よくやった。営業所開設してくれて嬉しい。お前は偉い!」 と手放しで褒めちぎっていた。 「自分の身銭にならないことでこれほど喜ぶはずがない」 と察していたが、そういうことだったのだ。 代理店チュウシュウ→ニ次店上海キンピョウ→広州中日ビルシステムに配送したら送料がかかる。販売している製品は一単位数十元程度なのに数千単位とかとなると相当な量になり運賃がばかにならない。チュウシュウも上海キンピョウも広州に事務所も倉庫もない。であれば、常州工場から広州事務所に送り営業担当の丁(テイ)に運ばせるか、広州事務所の経費で送付すれば、ダミー代理店たちは経費を節約でき、中抜きの利益がより大きくなるというものだ。なんと図々しいのだ。遠慮と言うものがない。    広州事務所を借りる際も  「天河区の中心地は高いので少し外れでもよい」 と言っておいたのだが、 市内の地下鉄に近い ビルのテナントを結構安く借りたので認可したのであった。    その仲介は丁(テイ)が行っていたが、彼は自分のマンションを三つも保有しており、二つは貸しているため不動産業も営んでいるということだ。その関係で当社テナントを仲介し中抜きをしていたに違いない。当然金(キン)は分け前をもらっているのであろう。 >>    お分かりになられたでしょうか?上記2点でもしっかり私服を肥やしています...

ワサビがないととても寂しい~また中国人を笑わせた話

  二回に渡り深圳販社における不正について書いて参りました。  筆者といたしましては毎日ブログ更新をミッションと課しており、その続きを書きたかったのですが、本日は軽いネタでご容赦ください。  「わさびがないととても寂しい」  日本語では到底意味が分かりません汗  「没有芥末很寂寞」  直訳すると「わさびがないととても寂しい」なのですが、日本語では意味は分かりません。  中国語読みをカタカナにしてみましょう。  「メイヨウジエモォ、ヘンジィモォ」 こんな感じでしょう。  「わさび(ジエモォ)」と「さみしい(ジィモォ)」の発音が非常に似通っているのです。声調も単独なら全て四声ですね。  恐らく日本で言う「ダジャレ」か「早口言葉」として流行ったのではないかと思われます。  更にこの言葉には続きがあります。  「没有芥末很寂寞,有了芥末更寂寞」  「わさびがないととても寂しいけれど、わさびがあるともっと寂しい」 後節は何が言いたいのか未だに分からないのですが、中国人は皆知っている言葉です。  荻村はかなり早い段階でこの言葉を覚えました。恐らく赴任1-2年目でしょう。  あるとき日本人の飲み友達とだったでしょうか?日本料理屋で刺身盛り合わせを注文しました。  簡易型の着物を着た小姐(しゃおじえ:ウエイトレスのこと)が持ってきてテーブルに置いたのですが、わさびがついてないことに気づいた荻村はとっさに言いました。  「小姐!没有芥末很寂寞!(おねえさん、わさびがないととても寂しいよ!)」  小姐は思わずクスッと笑い理解したと会釈します。  そして小姐はすぐにわさび山盛りの小皿を持って荻村のテーブルに参ります。  「不好意思(すみません)」と詫びます。荻村はとっさに言い放ちます。  「有了芥末更寂寞!(わさびがあったらもっと寂しいじゃないか!)」  小姐は笑い転げます笑 「やったー!」  荻村はこの時、中国語で中国人を笑わせるきっかけを掴んだのかもしれません。  やはり海外で生活するのであれば、現地の言葉を少しずつ学び使えるようにすることは大切なように思います。  でも考えますと、この中国語を放つと中国人は笑いますが、映画とかドラマで日本語に直訳しても面白く何ともありません。アメリカ映画とかジョークもとても多いし、こんなダジャレをどうやって翻訳するのでしょうか?  「わさび...

深圳不正事件のおさらい

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  みなさん、こんにちは。  「俺のミッション 中国ビジネス三都物語」(出版社:めでぃあ森)を執筆した「はやぶさひろ」です。久しぶりの自己紹介となりました笑  深圳での不正事件については、拙著でストーリー展開させているのですが、実はかなり複雑なので、今回おさらいをさせていただきます。  上海の事例でもありましたように、代理店経由で市場に販売するメーカーという一般的なビジネスモデルの場合、下記2点が不正に共通する要素です。  1)ダミー代理店  2)不正社員が支配する商社  深圳販社の元総経理は「金」、営業部長は「呉」で共に次代コーポが中華圏に参入するために買収したエバー社から移籍してきた社員です。その他社員の多くが、やはりエバー社出身でその団結は非常に強いものがあるように初回訪問時から感じていました。  金元総経理は上海営業部長だった徐のような卑しく劣悪な人格ではなく、仲間全員を大切にするドンのようなイメージで裏切り者はいない風格を持っていました。  この例で当てはめてよいのか分かりませんが、金は中国人の仲間からすると「薫陶を賜っている(つまり、金総経理の人徳を以て導かれている)」という感じがします。したがって、上海徐のときのように荻村に密告したり力を貸してくれる社員は皆無です。  そこで荻村は、人を送り込むことから始めるのですが、京信深圳での部下だった「唐」を定年退職を迎える金の後釜、ということで2016年に採用し深圳販社副総経理として迎えます。  当然決裁するのは荻村や本社人事なので、金らは文句は言いません。表面は歓迎モードです。しかしえげつない虐めで追い出そうとしていることは明らかでした。  続いて呉を解雇する寸前の2018年夏、組織変更を実施したときに上海販社蘇州営業所長だった「劉」を深圳営業課長として異動させました。  2名の送り込みについては拙著「第六章 我不知道~一人目の刺客/二人目の刺客」にしたためました。これで荻村は両手に刀(助さんと格さん)を持つことができました。  何度か書きましたが、外国の地で日本人だけで不正解明・対処は不可能です。現地の信頼できる仲間の助けが不可欠です。  どこでどう不正が行われているのか?目安が必要です。  これにはまず、唐が「深圳中秋(チュウシュウ)という代理店はとても当社次代製品を扱っているような雰囲気がない」...

就業規則変更に反抗する深圳販社からのテロ

 しばらく面白おかしいネタを提供してきました。  次代コーポ上海での不正事件2件は以前チャート図にて説明してきました。今回から深圳での不正について詳細をお伝えしていきたいと思います。  本丸に切り込む前に荻村がやったことは下記です。  1)代理店契約書や制度の大幅変更  2)就業規則の変更・厳格化  3)営業組織の変更  総経理だった金や呉が首謀し社員や代理店と組み悪事を働いていることは火を見るより明らかなのですが、どことどのようなトリックを使いキックバックを得ているかが見えません。  上記3つの施策はそれぞれ悪事を抑制する目的があります。  1)の代理店契約書内容変更は特に「特別価格品を偽って契約外顧客へ販売した場合、過去に遡って通常価格との差額を請求する」という条項を織り込みました。  そして「販売先を実証するために『発票』の提供を求めることができる」と明確に謳いました。  これまでは曖昧な記載しかなく、罰則規定がありませんでしたので不正が発覚しても賠償させることは無理というものです。  2)はやはり罰則規定を明確にいたしました。  例えば「兼業」です。次代コーポ中国販社以外でも仕事をしている、ということの禁止です。自分の会社を持っている人達は結構多いので、「ない」という誓約書や、持っている人は登記から外すような対応をしていきました。  更に書面警告を出す事由の明確化や、3回の書面警告で解雇できる、などを盛り込みました。  重要な規定の変更であり「民主的ステップを踏んで」ということが必須となります。国は社会主義なのに我々外資企業には従業員の「民主性」を求めます。  したがって従業員への説明が必要になります。解釈は難しいのですが説明会後に「同意」の意思を全員から得ねばならないという意見もあり、最低でも「説明会に参加した」というサインは必要と言われています。  1)2)とも各販社で荻村自ら説明会を実施しました。  1)は中国大陸の代理店なので上海・北京・深圳で5月末、2)は香港も追加で7月中旬に実施しました。  従来より厳しくなり不正や怠惰がしづらくなりますので反抗が来ます。特に組織全体が魑魅魍魎の館となっている深圳販社からの攻撃は過激でした。  代理店契約内容の変更時は、拙著に書きましたように荻村のところに大量に寄せられました。恐らく営業部長だった呉が音頭を取り、...

【臨時】筆者からのお知らせ

 みなさん、こんにちは。「俺のミッション 中国ビジネス三都物語」(出版社:めでぃあ森)を執筆した「はやぶさひろ」です。  拙著Amazonでの社会小説部門売上げランキングですが、このところ低迷しておりましたが、先ほど75位に復活していました。最高ランキングは知るところ3位だと思いますが、ご購読いただき誠にありがとうございます。  さて、今回は下記ご連絡やお願いを掲載いたします。 1.Amabaブログ(アメブロ)への並行投稿の件   Google bloggerのインデックス登録がなされず、google検索エンジンで検索できないため、アメブロへの移植もしております。内容は同じです。アメブロを日頃使用なさっている方も多いと思いますので便利な方でご覧ください。当面は同時に掲載いたします。 https://ameblo.jp/orenomisshon/ 2.投稿ネタについて   大きく下記に分類されると思います。まだまだネタがありどこから掲載するか毎回考えております。お好きな内容があればコメント欄などでお知らせください。   1)拙著不正事件などに直接関係すること(不正の詳細や裏話など)   2)中国文化に関する面白ネタ   3)中国語に関すること   4)その他  本日の裏話は別途投稿する予定です。今後ともよろしくお願いいたします。  一会儿見!

火鍋屋で他の客を笑わせたこと

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  前回「一体何人奥さんがいるんだ!?」のタイトルで、中国人を笑わせたネタを披露しました。  本日も街の火鍋屋で見知らぬ中国人女性を思いっきり笑わせた話題を提供しましょう。周りの人のことはあまり気にしない文化がありますが、自分の得にならないことには無視を決め込むのだと思われます。ただし無償で面白いものなら万国共通興味を示すようです。  中国人の部下数名とこじゃれた火鍋屋に入りました。  ちょうど向かいのテーブルに若いカップルがこちらを向き並んで座っていました。  女性の方は荻村をチラチラ見ています。(中国人じゃないな、という感じです)  部下の人達は荻村のメンツを立てて好きな食材を注文してくれるよう促します。  「荻村san 您随便(お好きなものを/ご自由に)」 定番の言葉です。  中国通の荻村は、具材としていつも定番の肉(しゃぶしゃぶ用のような)や野菜の他に  「鸭肠(アヒルの腸)」  「鸭血(アヒルの血の煮こごり)」  「鱼头(魚のあら)」  「毛肚(せんまい)」 など日本人は知らないような具材をテキパキと注文します。  下の写真は2004年既にあひるの腸をしゃぶしゃぶで食べているところです。既に中国通になっていたようです。しゃぶしゃぶ時間は8秒くらいがちょうどよいと聞きましたが、へまをしてひどい食中毒になったこともありました汗  さて、向かいの中国人女性は中国語で具材を注文している荻村の姿をもの珍しそうに目を見開いて見つめています。  部下の一人が「中にチーズの入ったイカ団子が美味しい」と勧めるので、それも追加注文しました。  さあ、食べ始めます。女性はまだチラチラと荻村を見ながら食べています。おもろいことを期待している目つきをしているのが分かります。  (任せなさい)  荻村は部下の勧めた「チーズイカ団子」を食します。中にほとんどチーズが入っていません。  「哎呀!奶酪太少了!运气不好!(あーあ!チーズがほとんど入ってない!ついてねーや!)」と声を大に叫びます。その女性に聞こえるようにわざとです。  案の定、女性は「ぷっ」と吹き出し、隣の彼氏の耳元で何かささやきます。  きっと「あの日本人、中国語でこんなこと言ってるよ!」と報告したのでしょう。しかし、彼氏はスマホに夢中であまり相手にしていないようでした。  もっと笑わせてやるかと、続いてもう一つチー...

一体何人奥さんがいるんだ!?

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  昨日は「競争戦略」やら難しいことを書いてしまいました。ビジネスマンはこういうことをちゃんと理解し実践で使えこなせないといけませんので、また記述するかもしれません。  本日は少し笑えるお話を書きたいと思います。  まだ京信深圳で働いていた頃です。冬の瀋陽に出張することになりました。瀋陽は東北三省である遼寧省の省都です。遼寧省には他に大連など有名な都市もあります。  荻村は地方都市に出張した際、なるべく時間を見つけてその土地の著名な観光地などを散策することにしていました。後任の水谷と最初に北京へ同行した時も聞かれました。  「荻村さん、あの有名な天安門広場はここ(北京事務所)から遠いのですか?」  「すぐそこ。今地下鉄ができたので、2つか3つ目だ、今から行こう。パスポート持ってね」  「え、仕事中に行ってよいのですか?社員に対し失礼になりませんか?」  「行かない方が中国に失礼だ。ここまで来て天安門広場を見ないとは、『日本人は中国の歴史・文化には興味なく、稼ぐことしか考えてない』と思われるぞ」と毅然と答えます。  その他にも成都に同行した際はパンダ研究所、西安に行ったときは兵馬俑を案内しました。  「中国人に『行ってきた』と言ったら喜ぶぞ」  さて、京信での瀋陽出張のときですが、週末自費で一泊して一人で瀋陽故宮へ行ったのです。故宮とは日本語では皇居です。  しかし12月の瀋陽は寒すぎる!マイナス20℃です泣 寒い感覚を通り過ぎて痛いです。下の写真はその時の実写です。雪が凍り付いています。  台湾の故宮は一番有名ですね。荻村は大好きで何度行ったか?数えきれません。  瀋陽故宮は北京故宮と並び保存状態のよいことで有名です。  観光ガイドが荻村に近づいてきました。  「要不要导游?(ガイドいりませんか?)」  中国語しかできないようですが、荻村は雇うことにしました。地方の観光地に旅行に行ったとき日本語可能なガイドを雇っても半分位何言っているか分かりません。中国語ガイドでも同じ位は分かるだろうと思っていました。  故宮の入り口付近から観光ガイドは案内してくれます。  「ここは清朝創立者ヌルハチの執務室である大政殿、こちらは二代目皇帝ホンタイジの○○です」  「然后,这里是第一个太太的家,那里是第二个太太的家,旁边是第三个太太的家……」  と説明を続けます。つまり  ...

five forces 競争戦略など

  前回のタクシー事故の3番目に天津で代理店候補への訪問したことを書きました。「この商社が何故次代コーポの代理店になりたいか?」そして「ボリューム・ディスカウント制度とはどんなことか?」ということをマーケティング戦略の問題として解説いたします。  経営上の難しいお話なので、ご興味ない方は飛ばしてください。  まず。次代コーポの代理店になりたい理由です。  この商社は京信のニ次店なので製品の供給力に不安を持っています。マイケル・ポーターの競争戦略にfive force(五つの力)という論があります。競争戦略を考えるとき5つの脅威に分類されるます。  既存の競合他社のことだけ考えていればよいのではない、ということです。  詳細は下記リクナビnextジャーナルの記事URLをご参照ください。 https://next.rikunabi.com/journal/20161101_s10/  例えば「代替品の力」とは40年ほど前でしょうか?音楽媒体としてCDが開発されたらレコードが衰退し大手レコード針メーカーがあっという間に倒産しました。またiphoneの出現により日本製の携帯電話は一気に斜陽となりました。  特に技術系のメーカーは技術のイノベーションに細心の注意と努力を払わなければなりません。  さて、天津の商社の話に戻ります。上のURLでいう「売り手の力」に潜在的な脅威を感じているのです。  普段は味方であるサプライヤー(この商社から見たらメーカーの京信や中間代理店)が脅威になることもあり得ます。景気が立ち上がったり材料不足が懸念される局面、つまりブツが不足気味の時、小規模ニ次店への提供より大口顧客や高く買ってくれる顧客を優先することは十分考えられます。中国では理不尽は日常茶万事です。  京信と同じような製品を持つ次代コーポの代理店になっておけばその脅威が少し薄れるのではないか?との考えであり、これは競争戦略上、重要な代替案の選択と言えます。  次に「ボリューム・ディスカウント制度」についてです。  簡単にいうと「代理店がたくさん注文してくれたら安くする」というやり方です。  販社統廃合を荻村に提案してきた本社海外子会社管理担当で公認会計士資格を持つ西村が、単純な発想(業界としては素人)でこう提案してきたのです。  「特別価格が多すぎて処理が膨大になっていませんか?...

タクシーで後ろから衝突された経験3回

  病気や医療の話をしているうちに、また思い出してしまいました。  荻村は中国駐在中、タクシーで3回も後ろから衝突されました。3回ともこちらは停車中でした。  一度目は駐在間もない頃です。  荻村は毎月香港へ出張しておりました。当時京信深圳は京信香港販社の一営業所だったし、香港販社からの投資で深圳販社を設立しようと準備していたからです。  香港の九龍駅から尖沙咀(チムシャーツイ)にある事務所の向かっているときでした。  凄い衝撃で衝突されたことがすぐ分かりました。何と後ろのトランクに設置されている燃料タンクが後部座席に飛び出してきて、荻村の腰に当たりました。ノンブレーキではなかったかとも思われますが、もう少しスピードが出ていたら大怪我をしていたこと必至です。  荻村は腰と首に違和感を覚えます。  ぶつけられたタクシー運転手はこちらの怪我のことなど気にしません。すぐに外に出て加害者であるタクシー運転手とけんか腰に話をし出します。  まだ慣れていない荻村は  「乗客の救助が先だろう-っ!」と首を押さえながら日本語で怒鳴ります!  同乗していた深圳営業の部長は日本語は全くできませんが、察したのか?運転手に警察に連絡するように促します。彼は黒竜江省出身でしたが広東省に長く住んでおり、広東語も少しできるようです。  日本で言う白バイが到着しました。  が、外傷もなくたいしたことない、という雰囲気で  「後は勝手に示談しろ」とピューり白バイで去って行きました汗  ぶつけた方の運転手は京信の事務所までついてきました。日本と余りにも違う対応にその時の荻村は激怒していました。  加害者の提案は以下ニ種類です。  1.病院へ連れて行く(検査費用を出すのかは不明だが、香港なので恐らく搭乗者保険があるのだろう)  2.1人500香港ドルで示談にする  同乗していた営業部長は普通の中国人より更に(俺は心の広い人間だ)というメンツをいつも見せつけていたので、まずは(金はどうでもいい)という態度を取ります。  「では、病院へ連れて行ってもらおう」と荻村は言いました。  営業部長は、「はっ!」とわざとらしく気づいたように話します。  「今日の会議は重要だし、病院に行ったら1日かかります。会議の再調整も難しいので止めておきましょう」  結局500香港ドルずつもらって示談となりました。こんな簡...

狭心症の患者にそこまでの検査をするか!

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  緊急医療の書き込みに読者のアクセスが多いので、主題の狭心症検査のことを書きたいと思います。  荻村は次代コーポの中国に赴任して1ヶ月も経たないうちに異変に気づきます。  まず寝ているとき深夜ですが、何か鉄板のようなもので胸を圧迫されているような苦しさを覚えます。  朝起きて地下鉄の階段を上がっていると、今度は息が上がり胸の辺りが苦しくなります。  極めつけは週末卓球をしたらマラソンで最後全力疾走したかのように呼吸ができなくなり、それこそ「ゼーゼー」するのが精一杯の状況になりました。幸い休んでいたら回復できました。  (これは明らかに異常だ)  荻村は翌週月曜日日本語のできるクリニックに行き診察を受けます。ちょうど心臓外科が専門という日本人医師が診てくれました。  「症状を聞く限り十中八九の確率で『労作性狭心症』を疑います。心拍数が上がると苦しくなります。ここでは検査できませんので紹介する病院で必要な検査を受けてください」  数日後朝、その指定の総合病院へ行きます。クリニックの通訳が待っているはずですが結局30分遅刻してきました。  「すみません、荻村さんと○○さん、いらっしゃいますか?タクシーが拾えず遅くなりました」  荻村より十歳位年上の○○さんも同時対応だったのでしょうが、  「何時だと思ってるんだ!私は忙しいんだ!検査はもういい!帰る!」と立ち去ってしまいました。  (自分の命と30分とどっちが大切なのか?日本人らしいな) 荻村は心で呟きます。  いくつかの検査をこなしましたが、最後はトレッドミル検査(運動負荷検査)です。要するにランナーマシーンの上で走りながら心電図をとるヤツですね。  医師の労作性狭心症の診断が正しければこれで結果が分かると思われます。  開始して間もなく苦しくなってきました。操作している女性のスタッフに  「痛苦!痛苦!停一下!(苦しい!苦しい!止めてくれ!)」と叫びます。  女性スタッフはモニターを覗き込みます。  「まだ心拍数が規定の150回/分に達していないので止められません」平然と言います。  (だめだ、このままでは心臓発作で死ぬ)  荻村は、両手を両側の手すりにかけたまま足の動きを止め死んだふりをしました。足はぶらりと後ろに流れました。  そこでようやくマシーンを止め医師を呼びデーターを見せます。  「おい!もう異常...

中国国歌「義勇軍進行曲」

   「○日本○子」の話題に続き、中国国歌について説明いたします。  義勇軍というのは正規軍ではなく一般市民が結成した軍隊ですが、中国語の辞書をひくと  「侵略者に抵抗するために人民が自発的に組織した軍隊」と書かれています。  進行曲とは日本語の「行進曲」です。マーチですね。  何故この内容がメディアで放送されないのか?不思議なのですがタブーなのかもしれません。  荻村は卓球好きで世界レベルの大会は必ず見ていたのですが、ほとんどの種目で中国が優勝するので赴任前から中国国歌のこの軽快なフレーズは耳に残っていました。  赴任してだいぶ経ってからです。この歌詞は何て言っているのか?何回聞いても「起来」と「前進」意外はさっぱり単語が聞き取れないのです。  調べてみよう。確か検索エンジンの百度で「中国 国歌 歌詞」と入力したと思いました。   起来 ! 不愿做奴隶的人们 !   把我们的血肉 ,   筑成我们新的长城 !   中华民族到了最危险的时候 ,   毎个人被迫著发出最後的吼声 .   起来 ! 起来 ! 起来 !   我们万众一心 ,   冒著敌人的炮火前进 !   冒著敌人的炮火前进 !   前进 ! 前进 ! 进 !  しかも色々調べてみるとこの曲は抗日戦争中に作られているようです汗  訳してみましょうか汗汗   立ち上がれ!奴隷になりたくない人々よ!   我々の血と肉で   我々の新しい万里の長城を築こうではないか!   中華民族に最大の危機が迫り来る時   それぞれが最後の雄たけびをあげるのだ   立ち上がれ!立ち上がれ!立ち上がれ!   全員が心を一つにして、   敵の砲火に立ち向え!進め!   敵の砲火に立ち向え!進め!   進め!進め!進め!  分かるでしょうか?  「奴隷になりたくない人々」ですが「誰の奴隷になりたくないのか?」の答えは「侵略者である日本軍」です。  学校では始業時に毎日歌っています。今でもです。  反日教育に加えこれです。一般的な人に反日感情が生まれるのはしごく自然なのことなのです。  さて、歌詞を見てみると意外に簡単なフレーズなので、荻村はこの歌をすぐ覚えました。荻村は中国語の歌を40曲位マスターしておりました。  あるとき、気の合う知り合いとクラブへ行き結構酔っ払った勢いでこの曲を入れてしまいました汗 ...

臨時版 反日デモの写真

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  昨日「○日本○子」という記事を掲載し、筆者のアパートから撮られたぼやけた写真を掲載しましたが、拙著やブログの読者の方から実写した写真が届きました。  2005年靖国神社参拝問題に端を発した時のものですね。  取り急ぎ共有いたします。  愛国無罪です。

教訓「◯日本◯子」 ~日本人を最高に蔑んだ言葉

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  「○日本○子」  ○に何が入るかご存じでしょうか?  「小日本鬼子」 が正解です。  日本語に訳しづらいですが、日本人の最高レベルでの「蔑称」と言えるでしょう。  中国語は世界で圧倒的に罵り言葉の多い言語とも言われています。  これは日本人を最高に蔑んだ言葉で、日清戦争や抗日戦争の際に頻繁に使われたと予想できますが、靖国神社参拝や尖閣諸島問題で反日デモが起きたときもこの5文字をよく見かけました。  下の写真は2005年の反日デモ(首相の靖国神社参拝に抗議)の際、日本人が多く住んでいた荻村のアパートがデモ隊に囲まれた写真です。暗くて見づらく失礼します。  更に周辺の日本料理屋のドアや看板が壊されたり、汚物を投げ込まれたりしたそうです。  「愛国無罪」という教育をされており、恐らく破壊行為を犯しても罪に問われていないと思われます。  この頃、ちょうど中国でサッカーのアジア選手権が開催されていて、準決勝は重慶で日本vs中国の試合でした。日本が勝ちましたが、現地で応援していた日本サポータはおっかなかったみたいです。よく行ったなーという感じです。  荻村は住んでいたマンション内にある日本料理屋の個室で知り合いとテレビ観戦していました。日本の勝利に気をよくし誰からともなく「よーし、祝勝会だ、飲みに出よう!」と言いました。ところがちょうどその時、警察が入り込んできて、「日本人はいるか?外に出るな-!部屋に帰れー!」と叫びました。外はそれほど殺気立っていたようです。  荻村は駐在員に「公共の場で電話に出ないよう」指示していました。  しかし本社のそれなりの地位の人から電話がかかってきたら取ってしまうというものです。  そこで日本本社に対し次のように関係者への徹底を依頼しました。  「駐在員に突然電話かけるのは絶対に止めてくれ。公共の場で突然日本語を話し始めるのはよろしくない」  しかし日本人は究極の「平和ぼけ」です汗 私の言っていることが現実のものとして認識できないのです。平気でかけてきます。  荻村は駐在員に対し「鬼が来る」という映画を見るよう薦めます。既に廃版になっており荻村は一時帰国時フリマでレンタル落ちのものを結構高く買いました。内容は割愛しますが、ひとつは日本人は凄い裏切り(恩を仇で返す)を行い、正に鬼だ、という描写をしているようにも感じられます。  これは外...

頻繁に患う胃腸炎

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 赴任前から衛生状況については聞いており、気をつけてはいるのですが赴任直後2ヶ月過ぎに胃腸炎を起こします。日本ではないような症状です。荻村の場合、まず胃が痛み始めて続いてお腹が緩くなる、という状況でした。激痛がするほどではないのです。ストレスで抵抗力が弱っていることもあるでしょう。まず胃がやられて、つながっている腸にも感染が広がってきた、ような感触を受けておりました。  正露丸でも治りません。逆に止まってしまうとまずいかもしれません。放っておくと2週間下痢が止まりません。何か食べると直行で下に降りてくる感じです。  正露丸ですが、翌年赴任してくる日本人営業マンもすぐこのような状況になり、  「正露丸ありませんか?」と聞かれ  「あるけど俺の知っている症状なら正露丸じゃ治らないよ。ま、試してみるか?」と一瓶渡しました。  彼は一瓶全部飲んでしまったそうですが、それでも直らず相談してきました汗  (普通2-3回飲めば分かるだろうが……)  さて、赴任当時は日本語のできる病院はないので、緊急医療サービスに依頼して病院に付き添ってもらうのですが、毎回「細菌性」か「ウイルス性」かの検査をします。荻村の場合、必ず抗生物質を投与されたので細菌性だったことが分かりますが、検査だけは必ずします。  抗生物質は点滴で恐らく栄養液と一緒に打つことになります。日本と違い手の甲に打ちます。確かに手の甲の方が静脈は浮き上がっています。写真は打ち終わりのものです。  この点滴は翌日も必ず打つことを指示されます。出張中にこのために一泊増やしたこともありました。病院前のホテルを親切にも手配してくれました。  しかしながら血液採取は日本と同じ前腕の内側でした。何故か?不明です。ちなみにですが、注射を打つのは中国の看護師の方がうまいです。ほとんど痛くない。日本では結構内出血した経験もあります。  荻村はとにかく忙しくストレスも多かったので、3ヶ月に1回この症状にかかりました。  あるときぐったりとベッドで点滴を受けていたら、会社の財務社員が荻村のベッドまでやってきました。手提げ袋から大量の書類を取出し、「サインしてくれ」といいます。その時は左腕に点滴を打たれたのでしょうか?なんとかサインをいたしましたが、病気で寝ることも許されません泣  当時は衛生状況が悪く、レストランの食器類もばい菌が多かったのでしょ...

緊急医療サービスの重要性 続き

  荻村は「65歳まで働きません、優秀な生え抜きを選定して送り込んでください」と言っており、後任として水谷という人材が2019年春やってきました。  彼は奥さん及びまだ小さいお子さん二人を帯同して赴任してくる、ということになりまして、「これは必ず緊急医療サービスの会員にならなければ!」と荻村は自分のミッションといたします。  何故か?荻村はそういう経験をしているからです。  荻村は京信を退職したとき競業避止義務を締結させられたので、三年間ほど競合ではない企業で中国事業顧問として働いていました。中国に頻繁に出張していましたが、京信でも懇意にしていた後輩夫妻が上海に駐在しており会食することも多くありました。  その晩も後輩夫妻、5歳になるその息子、京信の他の駐在員と中華料理を楽しみました。後輩夫妻とやんちゃな息子は先に帰りましたが、荻村と単身赴任である他駐在員は二次会のバーでワインを飲んでおりました。昔の仲間と飲むと楽しいので皆かなりベロベロに酔っ払った感じです。  その時、荻村の携帯が鳴ります。先に帰った後輩の奥さんです。  「どうした?何かあったのか?」  「歩道を歩いていたら、息子が自転車道に飛び出して自転車にはね飛ばされました!息子は頭を打ってギャーギャー泣いています。どうしたらよいでしょうか?泣泣」  焦っている様子がヒシヒシと伝わってきます。  (どうするか?と言われてももう家の近くにいるのだろうし、どうしようもできないよ……)  荻村も焦ります。そこで思い出しました。  「! 京信はWellbeという緊急医療サービスに入っている。旦那の名刺入れか財布に会員証はないか?その番号にすぐに電話しろ!24時間サービスのはずだ!」  と声を上げ指示します。彼女は「分かりました!」と電話を切ります。  心配していましたが、夜中にショートメッセージが入ってきました。  「Wellbeが来てくれて病院に連れて行ってくれました。念のために脳のMRIも撮りましたが問題ありませんでした」  今現在は現場へ駆けつけるサービスを原則中止しているようなことは聞きました。  荻村は水谷が赴任するとすぐに彼に状況を説明します。  「お嬢さんや息子さんが万一事故にあったり、急病になったらどうする?救急車を呼べるか?対応できるか?子どもが苦しんでいるのに何も対応できないなどあってはな...

犬に噛まれた時⇒緊急医療サービスの重要性 

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  荻村は次代コーポ上海に着任してしばらくして前任総経理の岡田に聞いたことがあります。  「ウェルビー(Wellbe)などの緊急医療サービスの会員にはなっていないのですか?」  岡田は予想通りの反応です。  「え、何でそんなのが必要なんだ?」  「万一ということもありますからね~」  「昔は日本語ができる病院がなかったから必要だったが、もうあちこちに日本語対応する病院があるじゃないか?それに荻村君も長谷川君も中国語で問題ないだろう」  (相変わらず小気(ケチ)だな……)  その時は阪本という中国語のしゃべれない技術支援部長がいましたが単身赴任ですし、それ以上の突っ込みはしませんでした。  2018年9月8日土曜日、荻村は上海のパーソナルジムでトレーナーの犬に噛まれてしまうのです。この年は正月早々胡や徐を追込みから始まり、8月頃から深圳の構造改革に着手しており、とにかく激しかったのです。厄年は翌年だと思うのですが、次回一時帰国時に厄除けに行きました汗  最初からかわいがって毎回撫で撫でしていたのですが、この日はトリミングされて毛がなくなっており痛かったのか?後ろから撫でようとしたら「がぶり」とやられました。元々は保護犬だったらしいので危険を感じたのかもしれません。  4箇所穴が空き2箇所から血が吹き出てきました。  その犬は「しまった!ごめんなさい……」という感じでうなだれて(耳を下げて)、傷口を舐め舐めしてくるのです。  「やめろ!これ以上ばい菌をよこすな!」  取り急ぎ洗浄して「すぐ病院へ行く」と外へ出ました。念のために日本人向けのフリーペーパーを携帯しており、そこには日本語のできる病院一覧も書かれています。近場の病院から電話しますが、土曜日午後は休診のところも多い状況です。  かろうじて出てもこのような反応です。  「犬噛まれ治療はできません」  一覧表にある病院の最後のひとつは「美容クリニック」でした。「無理か~」と思いながらも「動物に噛まれた痕を整形する可能性もあるので、何か知ってるかも」と思いかけてみますと日本人スタッフに替わってくれました。  「中国では犬に噛まれた治療ができる病院は限られています。日本語のできるクリニックでは治療できません。私の知る限り**病院に外来があります。電話番号をお知らせします」  とご丁寧に教えてくれました。  実は右...

アーイー(阿姨:お手伝いさん)の逸話

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  本日は筆者の結婚35周年でした。「珊瑚(サンゴ)婚式」と呼ばれいるようです。  その昔9月15日は敬老の日だったので、いつまでも覚えていると思っていたのですが、いつの間にか敬老の日ではなくなっていました汗  もう高価なものは買えないのでTOM WOODのリングをプレゼントしました。今晩は父の日に娘夫妻からもらった赤ワインを開けました。  昨日の投稿に阿姨(アーイー)という言葉が登場しました。ひとつの意味は「母の姉妹」で標準語では「姨母」とも言います。そしてお手伝いさんのことは必ず「阿姨(アーイー)」と呼び、彼女らも自らをそのように名乗ります。  日本人はこの発音が苦手なので「アイさん」と言う人が多いようです。  賃貸のアパートを借りた場合、大概の人は週2回位来てもらうと思いますが、単身赴任で1回1時間程度で掃除してもらい月500元位だったのではないかと記憶しています。質的にはかなり差があり地方から出てきた人で高等教育を受けていないと、汚れた雑巾を絞った手で洗濯ものをたたんだり、便器を拭く雑巾もキッチンを拭くそれも区別しなかったりとかします。最初に監視が必要ですが、単身赴任の人は見ることができませんね汗  更に依頼主が出張中だと分かるとその部屋に友達を呼んでパーティーをしたり、筆者の知り合いの場合、1日前倒しで出張から帰ったら自分の衣類を洗濯しながらシャワーを浴びていたそうです汗汗 目撃されたアーイーは「アイヤー、アイヤー、ごめんなさいねー」と慌てていたとのことです。  人の家でそうするのは水道代やガス代の節約だと思われます。利用できる物はとことん利用します。  荻村が深圳で販社を立上げ新しいオフィスに移ったときに会社で雇ったアーイー(お手伝いさん)は、荻村より少し年上でしたが非常に働き者でした。ずっと身体を動かしています。法律で非正規社員の1日上限労働時間が(5時間だったかな?)定められておりましたが、それ以上働きたい様子です。  出勤時、昼食後、就業時ともにいてくれるとこちらも助かります。常に清潔な環境を保てます。こちらの従業員は、仕事中によく果物の皮を剥いて食べています。  荻村は「ハッ!」と閃きます。  「中国初の正社員アーイーを作ろう!」  元の親会社京信香港から出向で来てもらっていたオジさん総務マネージャーは  「思いもよりませんでしたが、それ...

密輸管理局が京信深圳に乗り込んできた事件

  二日前に「税関で連行された出張者」というタイトルの記事に「京信深圳に走私(密輸)管理局が乗り込んできた」ということを記載しました。今回はそのことをご紹介いたします。  2003年京信深圳販社が立ち上がり債務超過の苦難を乗り越え、ようやく順調にいくかと思っていた矢先でした。  事務所に重々しい軍隊のようなつなぎのユニフォームを来た男二人が乗り込んできます。胸には「走私(密輸)管理局」と書かれたワッペンが縫い付けられています。  (最近は公安の下の組織である「缉私局」がその組織という情報もあります)  「密輸入の疑いがある。業務を停止しろ。倉庫からの出荷も停止だ!これから調査する」 こう大声を上げます。まるで特捜班が乗り込んできたようです。  「な、なんだと?その根拠は何だ?当社は全て法に基づいて輸入している」 荻村は対抗します。  「貴様に話す必要はない。国家権力だ」 傲慢そうにこう答えます。  「出荷停止されたら中国の顧客が迷惑を被るではないか!」 取り敢えず反抗してみます。  「我不知道(俺の知ったことではない)」 予想通りの反応です。  物流の部門長(女性)が荻村の耳元でささやきます。  「荻村さん、私、ケーキを買ってきます」  「ケーキー、それどころではないだろう……汗」  荻村は動揺しており何とか調査が終わり出荷再開できることを神頼みしておりました。  物流部門長は帰って来るや否や阿姨(アーイー:お手伝いさんのこと)にコーヒーを沸かすよう指示します。荻村がコーヒー好きだったので日系スーパーで結構まともな豆を仕入れておりました。そして買ってきたケーキと入れたてのコーヒーを密輸管理局の二人に提供し、ぼそぼそっと白話(広東語の口語のこと)で何か言いました。  「ま、出荷だけは認めてやるか」 密輸管理局は呟きます。  その後、取って付けたようにいくつかの輸入関連書類を見ただけで(読んではいないと思う)、  「違法なものは見つからなかった。業務再開していいぞ」 彼らは去りました。  (こいつら、お茶菓子目当てのパフォーマンスで入ってきたのか?) 荻村にはそうとしか思いつきませんでした汗  荻村は物流部門長にまさかと思って聞いてみます。  「分かりません」と答えます。「そうでしょう」とは言いません。相手は国家権力を有してます。  もしかしたら「紅包(おひねり...

月曜日から「明日は土曜日だ!乾杯!」

  かなり難しい話が続きましたので軽い話をいたします。  拙著にも書きましたが荻村のソーシャルスタイルはドライバー(ドライビング)といい、世間話などしないでいきなり真面目顔で本質に入り込むタイプです。ですので「独禁法のお話」でも書きましたように一担当係長なのに支店長会議でも盛り上がっている最中に「ダメですね。独禁法違反です」とズバリ否定します。正反対タイプのエミアブルの方からすると、とても違和感があるタイプと聞きます。  ソーシャルスタイルについて詳細を知りたい方は下記URLもご参照ください。 https://www.wowcom.co.jp/blog/839/#:~:text=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%811968,%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82  そんな荻村ですが本質以外のところでは結構ジョークや非真面目が好きで、中国での飲み会で乾杯の挨拶を務めるときは曜日に係わらず必ず下記のように言っていました。  「明天星期六!不要上班!请大家今晚吃得高兴喝得痛快!干杯!!!!」 訳しますとこんな感じになるでしょう。  「明日は土曜日だ!会社はお休み!みんな、今晩は楽しく思い切り飲んで食ってくれ!乾杯!!!!」  月曜の夜からこんなことを言ってまして、周りも最初の頃は「啊?明天星期二吧?(え、明日は火曜日ですよ)」などと訂正してくれましたが、そのうち荻村のジョークだと気づきます。  もう荻村が乾杯の挨拶を始めようとすると「来るぞ来るぞ」と嬉しそうな顔をし出します。「明日は土曜日だ!」と言ったとたん、一斉に爆笑!続いて  「对!没错!明天星期六!没有工作!(そうだ!違いねー!明日は土曜日だ!仕事はないぞ-!)」と数名が騒ぎます。  中国人はほとんどが定時になればさっと会社を去って行きます。高度成長時代から筆者の時代にかけて身を粉にして働いてきた文化とは違います。元々社会主義国家でもあります。常に仕事でプ...

税関で連行された出張者

  「俺のミッション 中国ビジネス三都物語」の裏話を公開しております。書き切れなかった細かいことの他、中国特有の状況も思い出しながら掲載しております。  以前「交渉下手な日本人と偽物市場でのお話」の中で、日本にロレックスのコピー品を持ち込もうとして結局没収された事件を紹介しました。 https://hayabusahiro.blogspot.com/2022/08/blog-post_24.html  今回はその逆で中国へ持ち込む際の税関対応に関することを記載します。  京信素材は現場サービス会社を子会社として有しています。KS社としておきます。  日本で作られた設備が深圳の日系工場で稼働していましたが、内蔵された京信の製品がロット不良だったことが判明し消費財で言うとリコール対象となりました。設備を日本まで送り返して、ということは現実的でなく、サービス会社KS社の社員がハンドキャリーで持ってきて、顧客の現場で交換する、ということになったそうです。  ある夕方、深圳での飲み友達と会食する約束があり、そろそろ会社を出なければ、というときに荻村の携帯が鳴ります。KS社を管轄する日本の社員からでした。  「あ、荻村さん、定時後にすみません。KS社の社員が深圳に出張したのですが、空港の税関に拘束されたようです汗!救出しに行ってもらえませんか汗?何とか助けてください汗!」 という内容でした。  荻村は友人にお詫びの電話を入れ即刻空港へ向かいます。  空港税関には拘束され疲れ果てた表情のKS社社員がおりました。荻村は税関に聞きます。  「この製品を申告せずに入国しようとした。走私容疑で身柄確保した」と言います。  「走私」とは密輸です。荻村は深圳販社が立ち上がってすぐ、やはり「走私容疑だ」と密輸管理局が会社に入ってきたことがありましたが、それは別途記述します。  KS社社員が持ち込んだのは販売価格3万円もしないタッチパネルのついた安価な操作機器です。通常こんなものはスルーだと思うのですが、ノルマがあるのか?パフォーマンスなのか?時々あげられるのです。  ちなみにプレゼンテーション用として会社から与えられたipadを没収された出張者もいました。これは税関の家にあるか?転売されてしまったのではないか?とも思われます汗  KS社社員に関しては必要な手続きをして釈放されました。念...

脳神経回路の発達~迷宮入り

 昨日は筆者が卓球の試合で投稿できませんでした。団体戦でしたが予選リーグ2位、B級トーナメントで優勝いたしました!    さて、ブログを付け始めて改めて思いましたが、迷宮入りになった逸話がとても多くあります。全部取り入れていたら300ページは超えていたでしょう。  今回は「最終章『テセウスの船』」から削除した部分をまず青字で記載します。 >>  「戦略的失敗は戦術的努力では補えない」 「戦略とは部分的無知の状況の中での意思決定のルールである」  それぞれ戦争論のクラウゼヴィッツ、戦略経営論のアンゾフの著名な言葉だ。 前者の意味は 「指導者が戦略、つまり取るべき道を誤ったら、現場の兵士たちがいくら頑張っても敗北する、場合によっては絶滅する」 という示唆である。 クラウゼヴィッツはフランス革命にプロイセン王国の軍人として参戦した人物なので企業経営ではなく実際の戦争を想定している。 後者は 「経営や組織運営において指導者が全てのことを分かっている訳でない中で、決断するための自分なりの、または組織としての価値判断基準を戦略という」 ということと荻村は解釈している。 例えば新製品開発案件において世の多くのマーケターやトップは 「何台売れていくら儲かるか?」 しか興味がないようであるが、未来のことは誰にも分からない。 何が売れるかが分からない多様化及び混沌とした時代である。最初からいくら儲かるか分かっていれば子供でもジャッジメントできる。それは独占を許された市場での『需要調整』の場合に過ぎない。だから 「部分的無知の状況の中での意思決定のルール」 という。 分からないことを正しく判断・決断できる者しかトップやリーダを務める価値はない。それは恐らく現場での血のにじむような努力や死ぬほど頭を使い、張り巡られたニューロンのつながりによる脳神経回路の発達で、度重なる失敗や成功、などの原体験を経たものだけが培うことのできる能力だと考えている。  頭は使えば使うほど発達していくのだと思う。今回の不正解明は攻略本もないし、強制捜査権もないために、内部にあるデータや関連各位からの証言で真実を推察していくしかない。とにかく日中長時間調べ、考え尽くし疲れ果てて寝ている最中にも夢の中でも考えている。するとだ、夢の中でふと解明できるときがある。 「あー、こういうことではないか!?」 と閃く。 ...

6月のPL(損益計算書)を見て愕然!

  海外子会社経営を任された場合、財務の見識は必要です。  専門家に任せっきりになる人も多いのですが、言語でのコミュニケーションの難しさ、税務や会計処理法など制度や法的な違い、社員による不正、などもありますので自ら関与することがよいと思います。  拙著第一章「贼喊捉贼~債務超過」に下記のような内容(青字部分)を書きました。この程度のことは駐在員だけでなく本社人事や海外関係者も知っておきましょう。現地で任期を待っているようなぶら下がり社員を派遣することは愚の骨頂と分かるでしょう。 >> 駐在員一人送り込んだら現地でいくらの費用が発生するか?多くの経営者や人事担当者も分かっていない。 仮に一般的な上場企業の課長クラスとして日本給与と中国現地給の税引き後振込額が月平均賞与分含み日本60万円、現地40万円の合計100万円としよう。中国法人サイドにいかほどの人件費が発生するか? 中国と日本は租税条約を締結しているため合算所得で中国に所得税を納税しなければならない。中国も所得税は累進課税であり、手取り月100万円であれば税率は最高額の45%になるはずだ。若干の控除額は無視すると計算式は 年間所得= 100 万円× 12 ヶ月÷( 1-0.45 )=約 2,200 万円 年間所得税= 2,200 万円× 0.45 =約9 90 万円 現地法人サイドの人件費年間負担額= 40 万円× 12 ヶ月+9 90 万円=約1,500万円 という膨大な金額になる。 >>  主人公荻村は2002年に赴任し2003年4月に法人設立したものの深圳の税関でブツが3ヶ月ストップし債務超過の憂き目に遭うのです。その真っ最中に日本人営業社員が派遣されてきた、という記述を上記青色の文面で説明しました。  ところが営業社員の派遣だけでなく、その6月恐ろしい現実に気づきます。  6月度単月P/L(損益計算書)は前月に増して大赤字になっています汗 出納係から財務担当にした張を呼び大声で問いただします。  「何故だーっ!何故こんなに経費が多いんだ!?」  「荻村さんのボーナスです」 張は嫌みったらしい表情で即答します。  (えっ?ボーナスは全額日本で支払われるのに……)  どういうことでしょうか?  上記の青色の記述を再度確認しましょう。  荻村の給与が見合い税引き後(振込額)、日本で60万...

銀聯(Union Pay)を使ってみた~使いどき

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  「俺のミッション」には関係のない話で失礼します。  コロナなどで慌ただしく中国の銀行口座を残したまま帰任となった方も多いと思います。  筆者は「銀行キャッシュカードの逸話 そのⅢ」で紹介しました「銀聯(UnionPay)」を使用して、昨日電子レンジを買ってみました。  中国工商銀行のカードはICチップだけで磁気テープはなくなり、日本の銀行で下ろすことができないことは先の「逸話Ⅲ」でもお伝えしました。しかし買い物はできます。  昨日購入した電子レンジの支払いはちょうど35,000円でした。銀聯ではデビットカードとして即刻口座から引き落とされますが、人民元で1,699.5元でした。  つまりレートは20.594円/元となります。昨日の平均レートが20.67円/元なので買い物の場合、外国で使っても手数料がかからないようですね。  カードには期限がありますしパスポートが失効すると銀行口座も凍結されます。円安の今、使いどきではないかと思われます! 再見!  中国語を日本語で理解したい方、ご参照ください。   作家はやぶさひろの日本語で学ぶ中国語 (rinxsonline.com)

荻村のことを「自分なー」と呼ぶ中国社員

  「俺のミッション」における深圳不正事件の裏話を書きたいのですが、細かいネタが尽きずもう少しお付き合いください。  今回は言語のお話になりますので、最初にひとつご紹介(宣伝)させてください。  筆者「はやぶさひろ」は日本語教師でもあるのですが、日本人初学者向け中国語コーチもしております。このたび下記LINKのようにRINXsという新しい学習プラットフォームからLIVEのマンツーマン授業をできるよういたしました。構造の違いを日本語で説明できることがポイントです。RINXsに登録されると500ポイント無料でもらえます。私の授業25分トライアル(お試し)は500ポイントなので初回は無料で体験できます。駐在員や帯同ご家族でお困りの方、日本にいながら効率よく頭で理解して学びたい方、一度お試しください! 作家はやぶさひろの日本語で学ぶ中国語 (rinxsonline.com)  荻村は京信素材深圳販社総経理のとき、上海の本部へしょっちゅう出張しておりましたが、上海にはやはり京信の大きな工場があり、よく行きました。製品の不具合などの打合せが多かったようです。  あるとき初めて見る日本語をしゃべる技術者が出てきました。  「私は○○。京都工場で2年間研修してきました。自分なー、深圳の?」と言います。  「自分なー?自分って誰のことだ?」  「あんたや」 京都弁のイントネーションでそう言い返してきました。  「お前はクビだ!」 荻村はジョークでそう言い放ちますが、相手は「汗」だったようです。  京都で2年間過ごしたので、すっかり京都訛りの日本語を覚えてしまったのでしょう。  筆者は前述のように日本語教師もしているのですが、授業は標準語かつ丁寧体を使うのが鉄則です。標準語ありきで「ここではこういう言い方もする」という程度に留めます。さもないと誰に対しても方言や普通体でしゃべる外国人になり、一般の日本人からすると礼儀を逸しているように映るからです。  企業としては「日本標準語教室」を外国からの派遣社員へ提供するなど、気遣いが必要と考えます。  中国人の知り合いの息子(小学生児童)にオンラインで日本語を教えています。将来日本へ留学させたいようです。英語も習っていて本当はアメリカやイギリスへ留学させたいのですが、学費や生活費が非常に高く日本が妥当ということでした。  そして留学先は...

独禁法のお話 ~迷宮入り

 「俺のミッション」第四章「醉翁之意不在酒~直訴」の中で、無錫代理店はある製品を次代コーポから特別価格の70元で購入し、最終顧客無錫設備の購買価格は150元だった、つまり中間マージンが80元もある、という記載をしました。  読者の中には「エンドユーザーにいくらで売ろうが、商社の勝手ではないのか?」と思われる人もいらっしゃるでしょうから下記のような原稿を書いておりました。併せて独禁法に関する逸話も紹介しようとしました。青字部分が原稿から削除した内容です。  考えてみると「独禁法」の究極の目的と荻村の理想は一致していたのだと思われます。 >> 独禁法を少し知っている人は「代理店から顧客への再販売価格を拘束するのは不当である」と感じるだろうが、「これは不公正な販売方法ではなく、販売顧客単位での契約事項であり公正取引委員会の関与することではない」という理解が正しい。 代理店経由のメーカー営業にとって独禁法の理解は必須であるが、シェアの高いメーカーはどうしても優越的な地位となり、実は独禁法の本意を理解せず、よかれと不法な対応をしている場合が多い。 荻村は京信で日本国内営業の企画スタッフをしていたことがあった。バブル経済が崩壊し収益確保に喘いでいたときだ。全製品値上げという支店長会議での案件の中で全国の支店長が鼻息荒くトップにやる気を見せつけていた。 「代理店にうちの営業員を同行させて顧客に値上げを嘆願し、何が何でも成功させます!エイエイオー!」 と盛り上がっていることろに荻村はぽつねんと言い放った。 「独禁法違反ですね。明らかに再販売価格の拘束です」  全員が目が点になっているのが解った。 座長である国内営業トップは冷静なふりを装って質問した。 「荻村、それは本当か?」 「100%間違いありません。法務部へ確認願います」   荻村はこのような正論で上位者の鼻をへし折ることが多くかわいくない存在だったが、不法行為を事前に阻止した自分が正しいと考えていた。 >>  どうしてこれが独禁法違反なのでしょうか?  結論を申しますと、京信素材が代理店価格を値上げするのは自由です。しかし代理店から顧客への再販売価格に京信が首を突っ込む行為は「再販売価格の拘束」という不公正な取引方法に当たります。  メーカーが代理店と同行して顧客へ値上げを嘆願する行為...

円錐六十号~円錐角膜のお話

 筆者のこととしてご紹介します。  「円錐六十号」とは筆者の中山大学付属病院眼科での患者番号です。診察券に書かれています。  まず言いたいことは、「診察券に病名を書くな!」ということであります。  「円錐」とは「円錐角膜」という病気の訳で、円錐角膜とは何らかの要因で角膜表皮が薄くなり眼圧に負けて角膜が飛び出してしまう奇病で思春期の時に発症すると言われています。「六十号」とは日本語なら「60番」なので、当眼科創業以来この病気で診察を受けた患者は60名しかいない、ということです。程度によるでしょうが男性は6,500名に一名、女性はその3分の1という統計もあるそうです。 https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000588.html  筆者も例外なく17歳の時、夏休み読書をしている際にふと左目をつぶったら何も見えていないことに気付きすぐに眼科へ行きました。看護婦さんがまず検査しましたが、何故見えていないのか分からず、医師がレンズを覗くと「円錐角膜だ!」と叫び看護婦さんに「よく見てみろ!」と指示したことを今更ながら思い出します。  右が特に酷いのですが左も少し飛び出している、とのことでした。  円錐と言えばかっこいい形が思い浮かびますが、英語でnipple eyeと呼ばれることもあるように乳首を想像した方が正解かもしれません。不正乱視が酷く夜間家の窓から遠くの車のライトを見たら目の前で花火大会が開かれているような感じです。ある意味幻想的な風景ですが、文字の認識はできません。  原因は不明と言われていましたが、筆者は小学校二年生から花粉症が発症、当時は結膜炎と診断されましたが、死ぬほど痒くて毎年春になると角膜をかきむしっていました。アトピー性皮膚炎の人にも多いと聞いているので、その原因もひとつだと思われます。  発症当時はハードコンタクトレンズで飛び出た部分を押さえ込むことで、かなり改善できたのですが、飛び出た部分を押さえ込むので傷ができ、当時のハードコンタクトは酸素無透過なので傷の回復が進まない、という悪循環で年々見えなくなってくるのが自覚できました。  筆者は日本国内でも転勤族だったので、各地で検査に行きますと開業医がよく大学病院を紹介してくれます。せっかくなので有給休暇を取りはるばる出向くのですが、確固たる治療法がない中、は...

狡猾と言われる上海人Ⅱ

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  「年会」   日本でいう忘年会です。春節前にそれはもう盛大に行われます。春節は中国で最大のイベントです。芸を披露する社員はもう2週間前から仕事せずに練習しております。  IT大手の百度が年会に「ツァンジンコン」を2年連続ゲスト出演させたと話題になりました。「ツァンジンコン」は漢字で「蒼井空」で、日本の「蒼井そら」というアダルト女優のようです汗 さすがに政府から自粛命令が出たそうですが……  別の大手企業でも一等賞に非常に高額の賞金をつけたと話題になりました。  京信素材上海販社でも結構派手にやっており、何百人参加していたでしょうか?500人位はいたと思います。荻村も深圳総経理として御呼ばれされていました。  さあ、お待ちかねの抽選会が始まります。日本人駐在員は抽選会に参加できない掟で、それは納得済みのことです。  今年の特等賞は電動自転車です。抽選会はパソコンでプログラムが作られ、乱数を使い日本人を除く全参加者平等に当たるようにプログラムされている、と説明がありました。司会者のトークもうまく会場は盛り上がっています。ほとんどのものが立ち上がって抽選のモニタをキラキラした目で見つめています。  そんな中、ところどころの席に「抽選には興味なし」といった感じで数名でたむろしながら酒を酌み交わしている者たちがいます。  「君たち、せっかくの抽選会だよ。特等賞は電動自転車だよ。盛り上がりなよ!」と荻村は鼓舞します。  「私たちには当たりませんよ」 彼らはしらけ気味にそういいます。  「何故だ?そんなことはないだろう。パソコンのくじだぜ」  「私たち外省人には当たらないようにプログラムされていますよ。上位当選は全員上海人です」  「そん馬鹿な~汗」 荻村はそれ以上、言葉が出ませんでした。  しかしながら結果は彼らの言う通り。上海人にしか当たりませんでした汗汗  これは人事統括部長QY(女性)がプログラム開発者に命じた茶番です。  この女性は非常に力を持っていました。京信が合弁で中国に参入した際のパートナー企業(大手)から来た逸材で日本で医師免許を取得しており共産党員というエリートです。京信上海アブーも絶大な信頼を寄せていましたが荻村は大嫌いでした。  「どことなく江青女史に似ているな~」 そう思っていました汗汗汗  赴任後数年たち、だいぶ中国語が分かるようになってき...