中国語の試験についてⅡ~HKS(漢語水平考試)
前回は日本中国語検定のことを中心に書きましたので、今回はHSK(漢語水平考試)について経験を語ってみます。
筆者は2011年に再び上海に赴任、しばらく中国語を使っていないので、2012年にHSK5級を受けてみました。
何故5級を選んだか?と言うと、最上級の6級の問題を見たらあまりにも難しかったので5級にしておいた、という理由です。
学習の仕方ですが、自分に合ったやり方があると思います。筆者の場合は
「生成効果」
と呼ばれる、いわゆる問題解きですね、これが最も集中できるので試験を受ける状況に身を置くのがよいと自己分析していました。
5級は正直簡単でした。
過去問を解いてみて、コレは問題ないな、と思いました。
なめていたので、時間をきっちり制限しての練習はしませんでした。
ところが阅读(リーディング)だけは問題数が多く、しかもじっくりやり過ぎて3割くらい残してしまったのです汗
その結果、リーディングがぎりぎり60%、リスニングは90%位だったと思いました。
日本中国語検定2級と同じ難易度の問題かもしれませんが、全て中国語なので、少し面持ちが違いますね。
ただし、HSKは3科目(听力(リスニング) 阅读(リーディング),书写(記述))で合計300点満点中180点取れば合格です。正当率平均60%でよいのです。
日本中国語検定2級はリスニングと筆記、共に70点以上の正答が必要です。
この差は非常に大きいですね。
よってHSK5級より日本中国語検定2級の方が合格するのは難しいのではないでしょうか?
HSKの試験会場ですが2012年当時、上海交通大学の教室でした。↓
申込みはinternetで行えるのですが、受験料支払いは会場まで行かないといけません。
そして成績表を受け取るのも会場まで来い、ということです。
結果、3回も行ったことになります。利便性が悪い。
(2017年HSK6級を受験した時には1回で済みました。受験料をどう支払ったのか?記憶がありませんが、既にスマホペイだったのか?銀行振込だったのかもしれません。)
筆者が受けた5級の教室には20名程いましたが、みんな中国人のように見えました。
受験監督に中国語で語りかけ、普通に質問していました。
恐らく華僑ですね。会話はできるけど漢語の読み書きが苦手なのかもしれません。
当然試験監督からの指示事項は中国語オンリーです。
さて、HSK6級は一目見たときに難しすぎる、と先入観があり、それまで挑戦したことがありませんでした。
筆者は2015年に三度の上海勤務となり、外国人への居留許可の発給がポイント制という制度ができたのです。
学歴とかHSK合格とかでポイントが加算されます。
それに6級に合格していると大学や大学院の文系学科本科への入試受験権利があるようです。ステイタスはそれなりにあります。
取っておけば何かと得するだろう、とのスケベ魂で受験勉強を始めることにしました。
上海静安寺付近の中国語教室でHSK6級対策を教えられる先生がいる、とのことで早速入会し学習開始します。
短期での合格を狙っていたので、(土)(日)午前中2時間ずつお願いしました。
教室では1問ずつじっくり分析してもらいました。
とにかく問題数が多いのです。
リスニングは勝手に流れていきますが、リーディングは時間コントロールしなければいけません。
リーディングの問題は50分で50問。
長文読解問題を頭から読んでいてはとても間に合いません。
5級受験時に3割余らせてしまった経験から、設問を読んで解答をピックアップする作戦に決め、瞬発力訓練は毎朝出勤前に1時間やりました。
結果、リーディングが最もよい点数で合格できておりました。
とにかく出題範囲は多岐にわたります。
一言で例えると「林先生の初耳学」とか「チコちゃんに叱られる」のような問題が出てきます。
教室でリスニング問題を先生と一緒に聞いていると、先生は、
「嗯!原来如此!(あー!そうだったんだ!)」
と口走ります。
こっちは完全に聞き取れないのでストレスが溜まります。
具体的にリスニングの第三部分という少し長い物語を聞く問題では
「カプサイシンは何故辛いのか?」
という説明がなされた過去問もありました。
「哺乳類が食べると種を消化してしまう。鳥類が食べると種を消化できないどころか、あちこちに種をばらまいて繁殖できる。
だから哺乳類が食べると辛く、鳥類が食べると気持ちよくなるようカプサイシンが進化した。」
そういうことらしいのです汗
ここで、
「辣椒素(多分カプサイシンだと思います)」
「哺乳类(哺乳類)」
「鸟类(鳥類)」
「消化」
「进化(進化)」
これらの比較的簡単な単語をピックアップし関連づけられるか、が勝負です。
受験会場は静安寺の中国語教室で、筆者はPC端末での受験を申し込んでいました。ライティングで漢字を忘れてもピンインで入力できるし、書き損じがないからです。
筆者の部屋では8名位が受けていましたが、今度は華僑らしき人は一人もおらず、欧米系や中近東、インド周辺系の人ばかりでした。
ただ半分の人が最初の听力(リスニング)が終わると去って行きました。↓
漢語を読むのはそれは大変でしょう。
リーディング50問の内、最初の10問は間違い探しなのですが、結構長い短文4種類から1つ間違いがあるものを抽出する問題です。
多分、これが一番難解です。
筆者の戦略として、これは「捨て」です。
取り敢えずかなり適当に、しかし猛スピードで選択しておいて、残りの40問に時間を使った方が正当率が上がると思います。
事実、塾の先生もこの間違い探しを3問連続で間違っていました。
現代中国人にとっては、「どちらでもよい」というレベルの問題なので、外国人には重荷です。
ちなみにJLPT(日本語能力検定)最上級のN1も日本人が解らない問題が結構出題されます。
最後の书写(ライティング)は缩写と言いまして、1,200文字位の中文を読んでから、その内容を400字程度にまとめる、という問題です。
原文は10分で読みます。メモを取ってはいけません。
10分すると原文は消え、テキスト入力モードになり、35分で400文字にまとめます。自身の意見や考えを入れてはいけません。
「さあ、忘れないうちに書くぞ-!」
と勇ましくキーボードを打ち始めたらpinyinモードではなく、うまく中国語が出てきません汗
日ごろ使っているMicrosoftのIMEやpinyinではないようで、変更の仕方が分かりません。
慌てて手を挙げて係員を手招きし
「拼音!拼音!(pinyin! pinyin!)」
とぼそぼそとつぶやきました。
「あれ、ごめんなさいね!」
すぐに変更してくれましたが、1分程度ロスしてしまいました。
その間に主人公の名前(フルネーム)を忘れてしまったようです汗
ストーリーは大体理解できていたのですが、固有名詞をメモなしで覚えるのはつらいです。
結局355文字書き(文字数が表示されます)、それ以上は何も思い出せませんでしたが、60%以上は取れていました。
約140分の試験ですが、非常に集中したので終わった時の爽快感がありました。
60%はいってるだろうな、との達成感もあり、終了後は西洋人向けのバーで昼からタンパク質とガソリンを補給しました!↓
駐在開始してから中国語を勉強してHSK6級合格という方はあまり存じ上げません。
しかし何度も書きましたが、直接コミュニケーションができると世界が広がります。
週に一度お愛想のように教室に行くだけでなく、中検かHSKに申し込まれるとよいと思います。
ではまたお会いしましょう!再見!
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