不可抗力なことで謝るべきか?「空港不時着編」
みなさん、こんにちは。はやぶさひろです。
前回まで難しい内容を書いてきましたので、今回からしばらく少し面白いエピソードをご紹介していきます。荻村のイメージを損ねるといけませんので筆者はやぶさひろの経験として書き下ろすこともあります。
筆者が一旦日本へ戻り長期休暇を取得して1ヶ月程中華圏へ遊びに出かけたときのことです。2010年だったと思います。大陸各地で約1ヶ月過ごし上海から次の目的地である台湾へ向かうときのことです。当時中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)の直行便フライトはなく、香港トランジットで行っていました。
その日も香港トランジットで夕方には台北桃園国際空港に着きホテルチェックアウト後、中国勤務時の飲み友達(その時彼は台湾法人の総経理)と一献する約束になっていました。筆者は飛行機の中ではいつもボーズのノイズキャンセリングヘッドフォーンで中国語の歌を聴いていたので機内放送は聞こえていませんでした。着陸時の衝撃にて「到着したか。トランジット便の離陸まであまり時間がないな」と気にしながら窓の外を見ますと、そこは明らかに香港国際空港ではありませんでした。
ヘッドフォーンを外し機内放送を聞くと、「豪雨で香港空港に降りられず近くのマカオ空港に不時着した」とのことでした。
しかたがない、一旦他の乗客と一緒に外に出るとマカオ空港のスタッフがハンディメガフォーンを手に広東語、中国語、全く聞き取ることのできない英語で大声を上げ何度も説明していいます。「何時になるか分からないが準備でき次第、香港に戻る。トランジット便を予約している人は、香港空港での指示に従ってくれ。機内に荷物を預けていない人はマカオに入国することが許可される。そこから自身で選択して香港へ移動してくれ」 こんな内容でした。
その騒動の中で日本人らしき人は自分だけです。周りは中華系の人ばかりでとても騒がしいのです。「あ~、中国語が聞き取れてよかった」 その時ほどこう感じたことはありませんでした。聞き取れなければ何が起こったのか?自分はどうしたらよいのか?分からずパニックになってもおかしくないでしょう。そういえば赴任初期で聞き取れない頃、空港にて頻繁にボーディングゲートの変更が行われていたので、周りの行動に従うことが必須だったな、と思い出したりしました。空港での放送を聞いて「あいやー」と言いながら自分の周りの旅客がぞろぞろと移動を始めるのです汗
夕方になると「夕食バウチャーを配る。一人一枚、取りに来てくれ」とメガフォーンでの説明がありました。中国国内便でも2時間以上フライトが遅れるとき、弁当を支給するのです。するとブーブー文句を言っていた人達が、取り敢えずおとなしくなります。しかし筆者は暑さと不安感で食欲がなくバウチャーでビールとつまみを交換した記憶があります。
いよいよ香港行きの飛行機が出そうだ、という放送時は既に深夜の12時を回り日付が変わっていました。飛行機は離陸したと思ったらすぐに着陸体制に入った感じです。1時過ぎに到着しました。空港では若い男性のグランドスタッフが「豪雨のために遅れて失礼しました。トランジット便の人は航空会社のカウンターの前で待ち、指示に従ってください」と何度も繰り返し説明しています。中国人の中年女性が「原因は豪雨ではあるが、ここまで遅くなったのは全部あんたらの責任や!」と標準的な中国語で二回罵るかのように叫びました。暑さと疲れで筆者はもうろうとしており、まるで大阪人のおばさまが大阪弁で叫んでいるかのように聞いていました。
香港からの台湾便はキャセイパシフィックで予約しておりましたので、その空港内カウンタ前で2時間待つことになります。スーツを着たビジネスマンらしい中国人男性がブチ切れて「一体何時間待たすんだ!」と大声で女性のカウンタースタッフに突っかかりました。カウンタースタッフは「大変申し訳ありません」等とは言いません。「私だって全ての代替えチケットを渡さなければ、家に帰れないんですよ!」と逆ギレしました。周りから鼻であざ笑ったような音が聞こえてきました。ぶち切れビジネスマンはこの一撃に意気消沈しすっかりおとなしくなりました。
皆がチケットを受け取った時間は3時過ぎ、その後、全員をバスに乗せてパンダホテルに向かいました。中国大陸でこのようなことが起こるとホテルはツインが普通ですが、ここではシングルユースだったのが救いでした。しかし預けた荷物はそのままトランジット代替え便に積まれるので取り出せず、汗びっしょりの臭う服しかありません。明日10時ホテル出発というので洗濯しても乾かないでしょうし、洗濯する気力も残っていません。シャワーを浴びてバスローブを羽織ってそのまま夢の中へと入っていきました。
今回取り上げたかったことは、キャセイのカウンタースタッフの逆ギレです。日本でやったら大変な騒ぎですよね?でも考えてみればこうなった原因はやはり豪雨です。豪雨の中で着陸させ事故を起こすわけにはいきません。乗客の安全を最大限に考えてのこと、または規則なのだと思います。航空会社でもなければカウンタースタッフの瑕疵でもありません。不可抗力です。不可抗力なことに何故日本人は謝るのでしょうか?日本の中ではお互いに気持ちがよいのかもしれませんね。でも国際交渉の中で簡単に謝るのは愚かだと思います。
また次回お会いいたしましょう!
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