犬に噛まれた時⇒緊急医療サービスの重要性 

  荻村は次代コーポ上海に着任してしばらくして前任総経理の岡田に聞いたことがあります。

 「ウェルビー(Wellbe)などの緊急医療サービスの会員にはなっていないのですか?」

 岡田は予想通りの反応です。

 「え、何でそんなのが必要なんだ?」

 「万一ということもありますからね~」

 「昔は日本語ができる病院がなかったから必要だったが、もうあちこちに日本語対応する病院があるじゃないか?それに荻村君も長谷川君も中国語で問題ないだろう」

 (相変わらず小気(ケチ)だな……)

 その時は阪本という中国語のしゃべれない技術支援部長がいましたが単身赴任ですし、それ以上の突っ込みはしませんでした。

 2018年9月8日土曜日、荻村は上海のパーソナルジムでトレーナーの犬に噛まれてしまうのです。この年は正月早々胡や徐を追込みから始まり、8月頃から深圳の構造改革に着手しており、とにかく激しかったのです。厄年は翌年だと思うのですが、次回一時帰国時に厄除けに行きました汗

 最初からかわいがって毎回撫で撫でしていたのですが、この日はトリミングされて毛がなくなっており痛かったのか?後ろから撫でようとしたら「がぶり」とやられました。元々は保護犬だったらしいので危険を感じたのかもしれません。


 4箇所穴が空き2箇所から血が吹き出てきました。

 その犬は「しまった!ごめんなさい……」という感じでうなだれて(耳を下げて)、傷口を舐め舐めしてくるのです。

 「やめろ!これ以上ばい菌をよこすな!」

 取り急ぎ洗浄して「すぐ病院へ行く」と外へ出ました。念のために日本人向けのフリーペーパーを携帯しており、そこには日本語のできる病院一覧も書かれています。近場の病院から電話しますが、土曜日午後は休診のところも多い状況です。

 かろうじて出てもこのような反応です。

 「犬噛まれ治療はできません」

 一覧表にある病院の最後のひとつは「美容クリニック」でした。「無理か~」と思いながらも「動物に噛まれた痕を整形する可能性もあるので、何か知ってるかも」と思いかけてみますと日本人スタッフに替わってくれました。

 「中国では犬に噛まれた治療ができる病院は限られています。日本語のできるクリニックでは治療できません。私の知る限り**病院に外来があります。電話番号をお知らせします」

 とご丁寧に教えてくれました。

 実は右手のひらを噛まれ出血しているのでフリーペーパーを見ながら携帯電話をかけるのは曲芸物でした。

 **病院に電話をしました。

 「我被狗咬了!(犬に噛まれました)」

 「现在哪里?快过来!(今どこにいるんだ?すぐに来い!)」

 ジムは浦西、その病院は浦南というところでかなり遠いのでタクシーで行くことにします。海外障害保険証は写メしているのでOKです。駐在員の人は必ずそうしておいてください。海外障害保険証があるとキャッシュレスでいけます。病院サイドも取りっぱぐれがないので優先的に診てくれます。お客様となります。

 予め電話で聞いておいた「犬傷門診」を目指します。「犬に噛まれた外来」とでも訳しますか。

 看護婦に手のひらを見せました。バンドエイドを貼っておいたのですが「何してるんだ!ダメダメ」と一気に剥がします。狂犬病ウイルスがいたら中にこもってしまうそうです汗

 「まずはワクチン投与だ!」

 「消毒しないのか?」

 「ワクチンが先だ!」

 と暴露後狂犬病ワクチンと免疫ブログリンという2種類を打たれます。傷より感染症、特に狂犬病が恐いそうです。そして医療スタッフが次の指示をしてきます。

 「あの自動販売機で消毒薬を購入し、あそこの水道があるところでセットして傷を消毒するのだ」

 「治療薬を自分で買うのか?」

 右手のひらを負傷しているので、自動販売機も使いづらくピストルのような器具にセットもしづらいのですが、何とか隣の人の真似をしながら成し遂げます。タイマーで30分くらいだったかな?非常に強い勢いで水が噴出してきます。一旦傷口に入った水が逆流して噴き出してくるのがよく分かります。これで奥の方までいる狂犬病や感染症ウイルスを死滅させるのでしょう。

 その後、4回ワクチンを打ちに通いました。暴露後24時間以内→78時間以内→1ヶ月以内に3回、ということです。

 荻村はある程度の中国語をできるようになっていたので何とかなりましたが、普通は無理ですね。狂犬病ウイルスに感染していたら24時間以内に暴露後ワクチンと免疫ブログリンを打たなければならないそうです。駐在準備として狂犬病ワクチンを打っていれば(3回投与で3年間有効)免疫ブログリンの投与は不要ですが暴露後ワクチンは必須です。

 中国語に自信がなく諦めざるを得ない状況になったら運を天に任せるしかありません。狂犬病の致死率は100%と言われています。

 そこで今後の駐在員のために緊急医療サービスに絶対入ろうと決心するのですが、長くなりましたのでそのことは次回に詳細を記します。

 ここでは狂犬病のことをおさらいします。

 日本では狂犬病は撲滅しているため、日本の病院には免疫ブログリンがないそうです。出張者が犬に噛まれた場合、1回は中国の病院で投与が必要です。駐在する人は日本で事前ワクチンを3回投与してから来ましょう。

 また、日本語ができるクリニックで何故治療ができないか?と言いますと、日本語というよりも認可された指定病院しかできない、ということのようです。偽ワクチンや消毒用ピストルがなく洗浄しきれない治療を提供し、発症させ死に至らせた事例が多かったとのことです。治療できる病院には「犬傷門診」という専門外来が設置されていることになります。

 自分の身は自分で守る、が鉄則です。


 あ、美容クリニックの日本スタッフには後日「ハーゲンダッツ」の商品券を送付しました。タオバオのケータリングサービスで美容クリニック送りにしました。ここで「できません」で終わりにされたらもうなすすべがありませんでした。

 では次回、続きを書くことにします。再見!

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