臆面もなく WYの顛末
「無錫代理店事件の真相Ⅰ チャート図説明」にて技術支援部長だったWYという人物が係わっていたことを紹介しました。
https://www.blogger.com/blog/post/edit/3190845135073887702/2610171873927085772
彼は技術的素養がしっかりしている上に日本語・英語とも上手でなかなかいない逸材でした。性格も温和で親しみやすさもあり、将来を嘱望されていました。
しかしながらこの事件で上海営業部長の徐に丸め込まれてしまい不正の一役回りを務めてしまったのです。もちろん証拠はないですし、この一件でしばらくは真面目にやるだろうから荻村は様子を見ようと考えていたのです。
しかし正義感の強い董事長森下は彼を自室に呼び怒鳴ります。荻村の部屋にまで地響きのように聞こえてきました。
「WY!お前も悪いことしていたのかっ!」
「……(蚊の鳴くような声で「していません」と言っていたそうです)」
徐も胡も皆そうですが、絶対に「やりました」とは言いません。徐は真っ赤っ赤、汗だくだくで険しい顔をしながらもずっとクビを横に振り続けました。
WYは目が泳ぎふらふらと茫然自失状態で自分の席に戻ると、ダンボールに引出しの荷物を詰め始めたそうです。これは日本人駐在員の井筒か山崎が教えに来てくれました。
彼は翌日から三日ほど有給休暇を取り、四日目の朝、荻村のところへ来ると「辞職する」と言いました。
結局、ある技術分野で定評のある次代コーポ上海のローカル顧客Z社へ総経理助理として採用されたそうです。「京信からも誘われたが断った」と誇らしげにいいましたが嘘でしょう。京信でその話があれば荻村のところへ照会が入るはずです。
日本のある製品事業部長でWYとも交流のあったMGはWYの部下に心配そうに聞きました。
「こんな辞め方をして恨まれないか?」
なんとWYの部下はこう答えました。
「会社にレクサス買ってもらったのですから恨むはずありませんよ……」
荻村の試算ではレクサスの全額は払えないでしょうが、頭金くらいにはなったかもしれません汗
さて、そんなWYですがZ社へ入社後しばらくすると荻村にお願いがあると来社してきます。
ひとつは「次代コーポ上海の日系顧客であるNシステムズのトップを紹介して欲しい」
もうひとつは「上海経済大学のMBAコースを受験したいので推薦状を書いて欲しい」
そういうものでした。
不正に荷担したことが公になり辞職し、裏金でレクサスを買ったと社員からも思われているのに「臆面もなく」とは正にこのために生まれた単語のようです……。
別の表現「図々しく」のほうが適切でしょうか?
中国とはこういうところなのです。
いつもお読みくださりありがとうございます。
またお会いしましょう!再見!
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