胡との係争 実話

 前回「胡商店」事件の説明をいたしました。

 チャート図での胡のイラストですが、実物に似たものを選んだ次第です。見るからにやる気がなくいつも気だるそうにしていたおり、まるで「ナマケモノ」のような風体でした。こんな悪事を長年働いていたとは正直驚きました。

 拙著では胡を解雇したことを「第四章 酔爺之意不在酒~暴露」でさらりと書きましたが、係争になったという話まではしませんでした。今回その真相をお伝えします。


 2018年1月2日、胡を追い込んだ翌々日「有給休暇を消化した後、辞表を出す」と言いました。ここまで追い込まれても有給休暇を消化する、というのは日本人の読者の皆様は驚くと思いますが、ここでは普通です。権利を行使せず流すなどという発想はありません。

 しかししばらくすると無断欠勤をした上、後出しで病院の診断書「頸椎ヘルニアにつき1週間の休養を必要とする」を会社に毎週出し続けたことは拙著に綴りました。人事社員が電話し「姑息な手段を使うな」と説得しても「これは労働者の権利だ!」と逆ギレしたそうです。不正を働き義務も果たさないくせに「権利」だけは主張します。

 下記に本物の診断書のキャプチャーをお見せします。「疾病病假建议书」と書かれています。「病欠意見書」とでも訳しましょう。診断名は「颈椎间盘突出」つまり頸椎ヘルニアと思いますが、このような症状は大人になればよくあることです。筆者もそう診断されています。

 代理店上海ショウキが胡商店から次代コーポ製品を購入した発票を提供してくれたので、それを証憑とし胡を懲戒解雇いたしました。

 胡は当然のことながら「労働仲裁」へ駆け込みます。労働仲裁への訴えは簡単にできます。自社製品を不当な手段を用い自分の会社を通じて販売していた、つまり背任行為であり兼業ですし証憑もあります。しかし労働仲裁では次代は敗訴し40万元以上の経済補償金の支払いを命ぜられます。中国で中国人と日系企業が係争し勝てる見込みはまずない、ということは長年の経験の中で学習していました。「半年分の給与で協議辞職の方がよかったのではないか?」という意見もありましたが、不正社員と分かりながら金を払うという前例を作るとやっかいです。マネする輩が出現します。

 荻村はすぐさま裁判所に提訴するよう命じます。一審の判決は約一年後の2019年3月6日、労働仲裁の判決を覆し次代コーポが勝訴します。これはかなり珍しいケースだと言われています。労働裁判は労働者側の負担を考慮し一年以内で結審させることが定められているようです。胡はこの判決を不服として最終審の二審へ上訴しますが、結論として「棄却」され次代の勝訴が確定します。

 勝訴したので「当方の弁護士費用も請求できるのではないか?」と顧問弁護士に聞きましたが、「労働者が勝訴した場合、企業側に弁護士費用も請求できるが、企業側が勝訴しても労働者へその請求はできない」とのことでした。


 荻村は最大5つか6つの係争を同時進行させていました。企業登記情報のアプリで調べると係争中の案件はすぐに分かります。係争相手の名前も出てくるのです。人事からも「係争が多いと応募者が減る」と忠告を受けましたが、構わず実行したことについて次回お伝えしたいと思います。

再見!

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