無錫代理店事件の真相Ⅱ 史の蛮行

 前回、無錫代理店事件の真相をチャート図でお伝えしましたが、今回はその続きで無錫営業担当者史の蛮行について記載いたします。 

 無錫代理店→史商会→風之達→無錫設備でがっぽり利益を抜かれているカラクリを見抜いた荻村はある出勤日の土曜日に、史に上海へ来るよう指示します。ところが当日ドタキャンされました。すっぽかすことを中国語で何故か「鳩を放つ」と書きます。

 証拠がないので懲戒解雇はできません。しかしこのような危ない輩に営業させておくのも脳がありません。労働契約のエリアは無錫なのでロケーション異動させることもできず八方ふさがりにも見られます。前任岡田の取って付けたような策(一人オフィス出店)には何度も痛めつけられます。とにかく特別価格の申請をさせないようにしなければ!必死に考え抜くとアイデアが出てきます。「技術支援部無錫駐在へ異動」という辞令を通達で知らせました。実はこれも労働契約上、かなりグレーです。営業職ではなくなるので本人の了承が必要と判断されるかもしれません。

 ちょうどその日は荻村がパスポートの更新で上海日本領事館へ行っておりました。会社に戻ると人事の江薇が困ったような顔で「あ、総経理、お帰りなさい。実は史が現れ激高して事務所でもう1時間も怒鳴り散らしています。欧陽さんがずっと対応しています。仕事を邪魔するのも彼の目的です」と言います。

 「俺の部屋に連れてこい」と命じると史・欧陽・江薇の三人で入ってきました。そこで史はまた大声で騒ぎます。欧陽が更にでかい声で対応します。史は荻村に「客観的な事実でもあるのか?主観的な事情で異動なのか?客観と主観の明確な違いは何だ!」とわめきます。「ここは総経理室だぞ。黙れ!貴様から客観とか主観とか教わる必要はない。従わなければ業務命令違反で懲戒処分にする」と伝えると、まずは「分かった」と部屋を出て帰って行きます。これ以上やると流石に懲戒処分もやむを得ない、と判断したのかと思われます。

 史がいなくなると日本人駐在員の井筒と山崎は「本当に大変ですね」と頭を下げました。総経理室の外まで奴の大声がこだましていたようです。「よくあることだ」と強がりますが、荻村の怒りは頂点に達していました。

 まずは新たな特別価格申請を食い止めることはできましたが、一人無錫において真面目に仕事をするはずがなく自分の支配する史商会で商売をするでしょう。速く解雇する方法を考えなければ、と焦っていました。

 経済補償金を持ち出すこと覚悟で「無錫設備に150元で売ると分かっていたのに、80元で売るので代理店に70元で」と虚偽の申請をして会社に不利益を与えたとして解雇します。奴は「この商売で会社は赤字ではない。よって不利益を与えていない」と反論します。不当解雇と認定されると8ヶ月分の経済補償金が必要となりましたが、結果弁護士立ち会いのもと給与5ヶ月分で納得し去って行きました。裁判が長引いている間に不正が証明されるとゼロになりますので、とっとと金をもらって消えたかったのでしょう。会社から出て行くとき不敵な笑いを浮かべ「アバヨ」というふてぶてしい態度を取っていたことを後から井筒から聞きました。

 その日、荻村は会社にいましたが史が失せるまで総経理室に閉じこもりました。万一鉢合わせしたらぶん殴ってしまうかもしれない自分が恐かったからです。

 実のところ徐から本社社長へのメールの前日、史からもメールが入っていました。「荻村総経理は無錫代理店を不当に排除した。その目的は自身が利権を得られる京信の代理店を付けることだ。その件で業界最大手無錫設備は怒り、もう次代の製品は使用しないと宣言した。このままでは次代中国はダメになる」そんな内容です。

 更に徐を追い込んだ2018年1月3日の夕方、史は紹興営業の何(カ)に電話をしてその内容を録音しています。何は徐から脅されていることを荻村に証言してくれた人間です。その録音ファイルは徐から本社社長へのメールに添付されていたのです。この時点(まだ史を追い込む前)で史が何を考えて何に電話したのか?完全には推察できませんでしたが、その録音を聞いた中国人家庭教師は「史は末恐ろしい中国人。こんな人がいて次代上海は大丈夫なのか?」と怯えていました。また、自分の子飼いである史が凶悪人と分かる録音を何故本社社長へのメールに添付したのかも誰も理解できませんでした。添付ファイルを間違えたのかもしれません(やっぱりアホか)。

 荻村はこいつだけは許しませんでした。史との労働契約を解除した旨の声明書を取引先に配ります。そして史商会の名刺を知り合いから入手するとあたかも次代コーポや京信素材の代理店のようにロゴを印刷していました。「史商会と次代コーポは何の関係もない」という声明文も配布しました。更に「次代コーポのロゴ使用料を払え」との弁護士レターを何度も送りつけました。そして元南京営業所所長だった周の会社と代理店契約を結んだ後、史商会の顧客を奪うよう協力しました。周は「史商会と次代の関係はない」という書面を顧客に見せるとすぐに口座開設できると喜んでいました。そのうち史商会は立ちゆかなくなり、結局徐が入社したローカル企業に入ったようです。


 複雑なお話しだったかもしれません。

 次回は今回登場した紹興営業員「何」からの告発文を生でお見せいたします。

再見!


 

コメント

このブログの人気の投稿

海南島旅行with来期計画

中国語の試験についてⅡ~HKS(漢語水平考試)

five forces 競争戦略など