交渉下手の日本人と偽物市場でのお話
前回偽物のお話をいたしました。
主人公荻村が有名な偽物市場へ行った時の逸話をご紹介します。
荻村は偽物どころかブランド品にも興味がなく使い勝手がよければよい、という性格です。趣味は卓球でゴルフもほとんどしません。
中国の大都市にはコピー品を販売しているエリアや商業ビルがあります。ごくたまに行政によって閉鎖させられてしまう場合もありますが、これは政府の一種のパフォーマンスで、またどこか違うところで再開するのが普通です。
今回、地域は伏せますが赴任後四年も経って一度もコピー品市場に行ったことのない荻村は、社会勉強ということで覗いてみることにするのです。
あるは、あるは、バッグも洋服も時計も何でもあります。
「ロレックスの時計だよ、安いよ!」と呼び込みが連呼します。
「安くて当たり前じゃないか」と心の中で呟きます。
店員によっては日本語で、「ニセモノ、ヤスイヨ」と言ってる人もいます。
ゴルフ製品の店に着きました。
「PINのゴルフクラブセット、4,000元だよ!要不要(いかがですか)?」と声がけするお兄さんがいます。
「4,000元で2setなら買うよ」と言うやいなや
「OK!今からこいつらはお前のものだ!」と荻村にバッグ二つ渡します汗
もう交渉終了です。こちらから要求して売り手は受入れたのです。ここで「やっぱりいらない」と言うと中国の掟に反するような気がした荻村は観念しました。
「しまった!4,000元と言われたらまず『500元でどうだ?』くらいからスタートさせなければならなかった」ということは後の祭りですが思い出しました泣 そうすると相手は「开玩笑(カイワンシャオ)~冗談だろ!」とまずは言い「3,500元でどうか?」と少し下げてします。
「ふん、じゃいらねーよ」と何の未練もなく去るポーズを取ります。すると彼らは追いかけて「3,000元!」ときます。そこから少しずつ下げたり上げたりの交渉となります。これを「讨价还价(タオジャーホアンジャー)」といいます。日本語では値引き交渉ですかね。中国人顧客は遠慮というものがないので非常に強気です。日本人は大阪のおばさまを除き、まーダメですね。荻村は単身赴任でしたが、筆者はやぶさひろは後半妻が帯同しており、この手の交渉はこちらがうんざりするほど執拗でした汗
結構安くなった場合、彼らは「アイヤー、赤字だー!あんたいい買い物したね-!」とか叫びますが、赤字はないでしょうね。
さて交渉にいきなり負けた荻村は「金がないので下ろしてくる」と銀行へ向かいます。当時デビッドカードとか電子マネーはない時代ですし、百元札40枚も財布に入るわけがありません汗
金を払うのはしかたないとしてもゴルフバッグ2setを抱えバスや地下鉄で帰ることに恐怖を覚えました。重いということの他に両手がふさがりカバンを守れないかも、ということが心配でした泣
何とかアパートに持ち帰りましたが使わないのに場所だけ食います。1setはゴルフ好きの日本人飲み友達にプレゼントしましたところ、「本物よりいいんじゃないか!?」と喜んでいました。使われている部材(シャフトとかヘッド)は本物だとよく言われています。要するに部品加工している下請けか完成品を作っている工場の在庫をくすねて、完成品にして販売している、と聞いたこともあります。京信時代の日本人同僚は、コピー品のドライバーを振ったらヘッドが飛んでいった、とびびっていました。下手すると死亡事故につながります汗
次代上海の倉庫でも、ある製品が大箱一箱そっくりなくなった事件がありました。「監視カメラは付けていないのか?」と驚愕しました。「岡田さん、ケチるにも限度というものがある」と呆れもしました。すぐにカメラ設置をします。在庫紛失はまず関係者による盗難を疑わなければいけません。
さて、もう1setはもったいないので帰任までアパートに置いておいたのですが、コピー品ですと通関時問題が発生する可能性があります。結局部屋に置いて帰りました。中国のアパートは退去するとき不要品はそのまま置いていけば整理してくれます。管理業者や清掃業者が自分で欲しいものは持ち帰るでしょうし、売れる物もあるからでしょう。
ちなみにですが、海外で高級品を購入して日本へ持ち込む場合、基本は税がかかりますのでご注意ください。ある逸話をお伝えしましょう。
ある出張者が中国でロレックスのコピー品を買いスーツケースに入れ帰国しました。日本空港の税関で発見され、
「これは本物ですか?」と聞かれます。
焦った出張者は「(汗)は、はい(汗)、ホンモノです!」と引きつった声で答えました。
「では、こちらに来てください」と申告コーナーへ連れて行かれました。
「この腕時計はかなりの高級品なので、税金が10万円発生します」と請求されます。
「(汗)すみません、偽物です」と泣く泣く白状します。
「では、没収です」税関は事務的に宣告しました。
「すみません、どーぞ(泣)」出張者は力なく答えます。
腕時計は確か海外市場価格15万円以上の場合、金額の60%部分に対し、消費税と地方住民税が発生すると思いました。各企業では駐在員や海外出張者が不利益を受けないよう、教育する責務あると筆者は思っております。
価格交渉の話に戻します。駐在員の皆さん、値段交渉は「これ以上要求すると相手がかわいそうだ」と思ったら完敗します。「相手が呑まなければ背中を向けて去る」このポーズを身につけなければなりません。
ただし中国ではコピー品と分かって購入することは犯罪です。めったにないことですが見せしめで拘束されることがあります。広州の郊外に引っ越した偽物街があり、駐在員の奥様が購入したら現行犯逮捕されたそうです。旦那が拘留所に向かいお金で解決させたそうですが、翌日釈放された奥様は一夜にして白髪になっていた、とか半狂乱状態だったという怪情報があります。ご注意を!
今回は結構多くの事例を紹介いたしました。
再見!
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