無錫代理店事件の真相Ⅰ チャート図説明

  「俺のミッション 中国ビジネス三都物語」の上海での二件目の事件として掲載した件です。中国ビジネスにご興味のある方のため解説いたします。

 業界最大手無錫設備への販売価格が80元なので、無錫代理店へ70元の特別価格を提供したのですが、実際には無錫設備に150元で販売しており、ごっそり利益を抜かれていた、という記載をいたしました。そしてこの茶番は上海営業部長徐が自ら無錫代理店を担当しての単独犯というストーリと描写いたしました。

 原稿ではもっともっと複雑な手口でしたが、読者が理解できなかったり、これ以上悪人が増えると食傷気味になる方もいらっしゃるだろう、ということで思い切り単純化した次第です。

 今回は草稿にしたためた内容をチャート図で紹介いたします。


 実は無錫には一人オフィスの史という若手営業員がおりました。胡と共に徐の仲間です。狡猾な者同士、とても仲良く見えました。無錫設備は業界最大手に成長し有名な企業で、古巣京信の中国no1顧客との噂もあり、荻村としても何とか攻略したい存在でした。

 そこに徐経由で耳寄りな情報が飛び込んできました。無錫設備での大口切替え商談です。非常に安い価格要求でしたが使用数量は半端でないため荻村は自ら顧客へ出向くことにしました。その時同行したのは無錫営業員史、上海営業部長徐、そして日本語がうまく技術力もある技術支援部長WYです。WYは人柄もよく見え荻村は信頼していた人材です。無錫代理店とその協力者という風之達(カゼノタツ)という商社の人も一緒でした。

 顧客は購買部長に技術部長らが面談に参加しました。中国では自社の歴史を誇らしげに説明するのが一般的です。儀式が終わり荻村はずばり「決着の条件は何か?」尋ねます。顧客は「価格だ」と言います。WYは競合を持ち出し「その価格は妥当だ」と言います。その後、森下董事長も同じメンバーと共に顧客へ伺っているのですが無錫駅でWYが森下をコーヒーに誘っている内に、徐・史・無錫代理店・風之達らがコーヒーには付き合わず、コソコソ話をしていたそうで「怪しい」と言っていました。しかしながら特別価格を却下するまでの客観的事実はなく、代理店価格70元まで譲歩し結果80元で決まった、という報告がありました。

 WYの行き末は別途ご紹介します。

 結果的にこれが史を解雇する要因になったのでよしとしましょう。と言いますのは史は当時三十歳ちょっとだったと思いますが、深セン営業部長呉以上のヤクザです。呉は手は出さないタイプですが史は何をしでかすか分かりません。若いだけに将来、巨大な悪魔に育っているかもしれません。それは後で記しましょう。

 チャート図に戻りましょう。実は無錫代理店が70元で仕入れた商品を史の支配する史商会経由(史は次代コーポに入社すると同時に株主を他者に変更しています)、更に風之達を通じて無錫設備に150元で売っていたのです。これは無錫代理店が販売した発票を見せなかったのであくまで荻村の推察ですが間違いないと思います。差額の80元/単位を三社、いや正確には四社で分配します。四社目は無錫設備の購買部長と技術部長へのアンダー・ザ・テーブルです。

 これが分かってきたのは2018年1月22日徐を解雇し、苛められていた上海ショウキという代理店の総経理が翌日荻村を訪ね、色々な情報を提供してくれたからです。徐は胡事件にて既に解雇されていましたので、史やWYを追い詰めることになります。

 まず史に無錫代理店から無錫設備に売った発票を提出させるよう伝えました。すると翌日夕方呼んでもいないのに史・無錫代理店・風之達が森下と荻村のところへやってきました。その日は二月上旬、荻村の誕生日で迷惑だったことをよく覚えています。荻村は無錫代理店らと押し問答を繰り返しているとき、史が会議室の端っこの席で酷い形相でおびえながら祈っているようにも見えました。

 風之達が森下だけに、ということでスマホにて発票の写しを見えました。拙著ではそこも省略し「無錫代理店が無錫設備に売った発票を見せた」ということにしました。

 何故史がおびえていたのでしょうか?万一無錫代理店が発票を見せてしまったら、史商会へ売っていることが分かるからです。そうすると業務上横領・兼業・詐欺などが証明されてしまいます。これほどおびえて少しかわいそうか?と思った荻村は自身がまた甘ちゃんだったことを後悔します。

 長くなりましたので、そのお話は次回いたします。

 この複雑なチャートを見て気づくと思いますが、遠慮というものがありません。徐、史、無錫代理店、風之達、無錫設備関係者、その全てが一蓮托生の中です。これを中国では「关系(関係)」とよく言います。「不正に利益享受していることを絶対しゃべらない、墓まで持って行く関係」と思ってください。この言葉が出たら不正している仲、と疑いましょう。

 

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