理髪店は難しい 短一点

  荻村より半年後に赴任してきた物流系企業の総経理N氏のことです。この企業へは日本からの製品空輸を依頼しており、N氏とは飲み友達でもありました。

 知り合って間もなく

 「荻村さん、散髪屋で『少しだけ短くしてください』は何と言ったらよいですか?」

と聞いてきます。

 「『短一点(ドゥアンイーディエン)』ですかね」

と答えるとメモに書きました。

 次回N氏に会うと彼は妙にサッパリしています。

 「あ!結局スポーツ刈りにしたんですね!」

 「はい、荻村さんに教わった『短一点』のメモを渡したら、こうなりました。いきなりバリカンでしたは!」

 涼しげな顔で答えました。暑いからこれでもいいや、という感じでした。スポーツ刈りにしたことのない荻村が逆の立場だったら激怒していることでしょう。

 荻村は家庭教師の麗老師にこのことを話しますと、吹き出して笑いました。「短一点」は「短くしてください」ということ。「少しだけ短くしてください」は「剪一点(ジエンイーディエン)」とのことです。少しだけ剪ってください、ということですね。

 併せてスポーツ刈りは「平頭(ピントウ)」といい現在非常に流行っていることも知らされました。そういえば会社にも多いな、と納得しました。

 荻村は一時帰国時には理髪店に行っていましたが、中国で剪るときはちょっと高級なところにしていました。衛生面のこともあります。当時は道端系で15元の床屋もあり、京信上海のある日本人駐在員はこういうところに行っていたそうです。

 こちらの美容院の場合、チャージ式のカードを作らされるのです。それがないと異常に高くなります。2-3千元チャージさせられて、すぐに閉店してしまったところもありました泣

 荻村は「短一点」の教訓を他山の石として(失言!)「自然剪一点~自然に少し剪ってください」という文節をすぐに覚えました。しかし「耳に少しだけ被るように」とか「もみあげはどうのこうの」「前髪は眉毛まで」という細かい注文はかなり難しかったようです。ちなみに整髪料を付けて指先でつまむセット方法は中国では「抓(ジュアー)~掴むとか捕まえるの意味」と言いますね。

 中国は日本とは違う髪型が流行っています。下の写真はここ5-6年位の流行でしょうか?


 荻村は京信深セン時代最後の頃、例の2-3千元チャージさせられたスタイリストに当時流行っていた髪型にされたことがありました。日本人の知り合いからは口々に「ちょっと奇抜すぎるのではないですか?」と言われました汗

 二度目の赴任の時は日本人スタイリストの理髪店に決めていました。ほぼ日本と同じ価格です。最後に通っていた広州の理髪店の日本人は突然公安に捕まり14日間程拘留されたそうですが、その話は別の機会にいたしましょう。

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